2015年12月27日

斜度変化と誤解

前の記事で、アサマで見かけたグループの練習法についてちょっと小馬鹿にしたようなことを書いてしまったのですが、あの練習をやっていたのは某人気ブロガーさんたちのクラブだったことが先ほど判明しました。

次から変装して滑ろう……。

毎度。俺です。

アサマのステージ3で練習していた時にふと気づいたことがあります。

「俺って斜度がゆるいほうに変化すると調子いいよな」

斜度の強い部分では「くそう、斬れねえ」とか思いながら滑っているのだけれど、斜度がゆるんだら急にトップが噛むようになってカービングが鋭くなる。こんな経験を実はほうぼうのスキー場で体験しています。

今までずっと単に「緩斜面でできることが中斜面でできてないだけ」と思っていたのですが、頻繁に斜度変化するアサマのステージ3を滑っているうち、理由はほかにもあるような気がしてきました。

「斜度変化への対応」と言った場合、ふつうは斜度が強まるところでそれに応じてポジションをきちんと下に落とせるか、体が遅れないか、というところを気にしますよね。私もアサマではそれを気にしながら滑っていました。

逆に言うと、斜度がゆるむところについては特に何も考えていませんでした。でもよく考えてみたら、ゆるい方への斜度変化に対しても対応は必要なはずだよね……。

わかった!

斜度がゆるんだとたん調子が良くなったのは、それが適正ポジションだからだ。でも、斜度の変化に対応した結果として適正ポジションが出たわけではない。もともとポジションは後ろだったんだけど、斜度のほうがポジションに対して適正に変化してくれたから勝手に調子が良くなったのだ。

くだくだしく書いたけどまとめるとこういうことです。

・ヘタその1:中斜面でのポジションは後ろだった
・ヘタその2:斜度がゆるんだことに対応できなかった
・結果として中斜面後の緩斜面でポジションが適正化した

なあんだ。

ダメじゃん。

マイナスにマイナスを掛けたからプラスになった、ってだけじゃん。

しかしこれでやるべきことがはっきりしました。棚ボタ式に手に入った偶然の適正ポジションをしっかり覚えておいて、それをどんな斜度でも再現できるようにすることです。

タグ:偽術論
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2015年12月26日

ある日のアサマ2000

めずらしく真面目に仕事をしています。

私が真面目に仕事したら雪が降るんじゃないかと思って……。

毎度。俺です。

とある天皇誕生日、とあるトップ標高2000メートルのスキー場に行ってきました。ひさしぶりのヒトリフトです。往路、あまりに眠かったので甘楽PAで仮眠をとった時点でこの日のモチベーションがわかろうと言うものです。高くはない。

アサマを選んだのは、私の好きなステージ3がやっとオープンしたから。アサマはこれでステージ1、2、3と出揃い、どうにか目鼻がついた感じです。

しかし行ってみるとセンターハウスとSt.2は徒歩移動だし、St.2とSt.3も徒歩移動。つまりSt.2は孤立状態。また、オープンしていないSt.4とアンテロとパノラマは草ボーボー。天然雪はほとんど降っていないようです。

まあ私にはSt.3があればいいんです。ほどほどの斜度と変化があって飽きないし、ふもとにCANADYという軽食堂があって一休みするのにちょうどい……えっ、CANADY休み? あ、そう……。

リフトの上からゲレンデを見ていたら、橋本真也の水面蹴りみたいなフォームのドリルをしている人たちがいました。おしりがヒールピースに触れるほどしゃがみこんで、準備運動の伸脚みたいに外脚を真横に伸ばしてターンしています。

つい「あれはいったい何の練習なんでしょうねえ……」と隣の知らない人につぶやいたら、「あれは、ワイドスタンスのフルカービングですね」と、そんなこともわからないのかといった口調で教えられました。

でもあんなにド後傾で内脚にどっしり乗っちゃったらフルカービングという現象は発現しえない気がするし実際ちっとも斬れてないじゃん……と思いましたが黙っていました。彼らには彼らのスキーがあります。

そうかと思うと、半月を長く引き伸ばしたような一風変わった板に乗っている集団もいました。特殊なスキー板の講習会のようです。集まっている方々の装備からして、山スキーの一種に思えました。

珍しかったので声をかけて写真を撮らせてもらいました。講習を受けている方々は「まあそうなるよなー(笑)」と照れつつもまんざらじゃない様子。講習の邪魔をしてすみませんでした。

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この珍しい板はスプリットボードというギアのようです。滑走時はスノーボード、ハイク時は半分に分割してスキーとして使うのだとか。スキーとして履く時は断面を外側にして、スノボとしてのエッジがスキーとしてのインエッジになるように履くのですね。

滑走はかなり難しいらしく、転んでいるところもちょいちょい見ました。一度など私の目の前で転んだはずみに片方の板が解放して場外に飛んで行ってしまったので、飛んで行った場所を教えてあげたりしました。

さて、センターハウスに戻って一服するべと喫煙所に行くと、一坪ほどの狭い喫煙所は混み合っていました。私とおじさんスキーヤーがもうひとり、若者ボーダーが4人、計6人で喫煙所は満員です。

若者4人組はだべっているのですが、そのうち2人はタバコを吸っていません。狭いんだから吸い終わった人から出てほしいなあ、と思っていると、お仲間がさらにもう一人入ってきました。しかもその子はタバコを吸おうとしません。そもそも喫煙者ですらないようです。

きみ、タバコ吸わないのにこの狭いとこに無理やり入ってきたの?

そこまでしてお友達といっしょにいないと心細いのかなあ、ボク?

待てよ。すると、先にいて吸っていない2人も喫煙者じゃない可能性があるぞ。そう思い注意深く彼らを観察していると、会話の雰囲気からして、タバコを吸う2人がそのグループの中心格で、ほかの3人はタバコは吸わないけれどお供をしている、という構図が見えてきました。

なんという情けない男たちか。

タバコを吸うわけでもないのに狭い喫煙所までくっついてきて、ほかの喫煙客を立たせて自分たちはイスに座り、ただ品がないだけで内容のまったくないリーダー格のおしゃべりにヘラヘラ笑いながら相槌を打っているお前だよ。お友達の顔色をうかがうあまり「混んできたから外で待ってるね」という当たり前の一言すら言い出せないお前のことだ。

今の若者ってみんなこうなのか。自分がない。

案の定、タバコを吸っていたふたりが「滑るかー」と言って立ち上がると残りも全員立ち上がり、どやどやと喫煙所を去っていきました。

ふう。残ったおじさんスキーヤーふたりは空いた席に座ります。にぎやかだった喫煙室がにわかに静まり返り、気まずい沈黙が流れました。しかし無作法な若者たちに迷惑させられた者どうし、連帯感が生まれているはず。世間話をフるなら今です!

「いや〜、想像以上に雪が少ないですね……」
「は?」
(あれ、耳が悪いのかな)「想像以上に、雪が少ないですね」
「……雪が少ない、ですか」
(なっ)「ええ、あの、はい……」
「少ない、ですかねえ……」

待って待って待って。

そんなに引っかかるところじゃないよ。

そこらじゅう草ボーボーでしょう。クリスマス寒波前とは言え、どう見てもこの少なさは普通じゃないですよ。もしかしてあんたの目にはたっぷり深々とした雪が見えてるの? それどこ? どれ?

日本じゅうに何人のスキーヤーがいるのか知りませんが、そのほとんど全員にとって今最大の関心事がこの雪不足ですよ。世間話としてはこれ以上ないというくらい無難な話題を選んでフッたのに、なんなのその抵抗感!

じゃあこうしましょう。百歩譲って、雪はそこそこある、ということにしましょう。しときましょう。仮にそうだとしても、世間話をフられたら表面的に調子を合わせることくらいできるでしょう。さっきの若者たちが本能的にやってたことですよ。それを知らない人どうしでやるのがオトナ! タクシーの運転手さんが明らかに間違った見解で世相をぶった斬ってても、困ったなと思いながら笑って相槌を打ってあげるのがオトナでしょ!

すみません。世間話をフッた私が悪かったです。なんなんだこの喫煙所!

ゲレンデに戻ってリフトに乗ると今度はジュニアレーサーと相席になりました。懲りずに、もう一度世間話をフります。

「どこから来たの?」
「軽井沢です!」
「きみたちみんな速いねえ」(ウソ。見てない)
「大会とか、出てる」
「へえ! 一等賞とったことある?」
「ない……4位と、10位。去年は二年生といっしょだったから……でも今年はとれると思う」
「すごいなあ。おじさんは去年レース始めてね、大会も出たけど、ビリから数えたほうがずっと早いんだ。だから練習してるの」
「ふうん……」
「お互い、がんばろうぜ!」
「うん!(満面の笑顔)」

小学生のほうがちゃんと世間話が成立するじゃないですか。

最後に食堂に戻り、オバチャンに「あんこクロワッサン」の焼き上がり時間を訊きます。

「あと15分!」
「待ちます!」

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アサマのレストラン「ラクーン」のあんこクロワッサン(300円)は焼きたてが絶品なのです。ハフハフ言いながらいただいてコーヒーを飲んで帰りました。

え、自分の練習? しましたよ。いちおう。少し。

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2015年12月24日

丸沼で最敬礼

こないだお友だちのライブを観に行ったんです。このバンドのライブ、僕はここ数年皆勤賞です。「いつも来てくれてありがとう!」メンバーたちは口々に言います。

うん。そう思うなら俺のライブにも1回くらい来いよ。

毎度。俺です。

先週末は丸沼でレーシングトレーニングでした。今シーズンも佐藤翔コーチ(元ワールドカップGS選手・好青年)率いるSOAR Racingにお世話になります。

本来SOARの本拠地はかたしな高原なのですが、ご存知の通り雪不足でかたしなはオープンすらままならぬ状況。丸沼での開催となりました。もちろん大混雑しているのでポールはなし。フリーで基本のおさらいです。

一本目の私の滑りを見た翔コーチ、笑顔で

「ぎょ〜さん! 去年と全然違うじゃないですか!」

単細胞なオッサンはこの程度のヨイショですぐモチベーションが上がるので簡単です。ジュニアにはビシビシ、中年はほめて伸ばす。かなり露骨な使い分けですが、いやいや、わかってらっしゃる。

もっとも、ほめられたのはその1回くらいで、後はたくさんの指摘を受けました。主なものは、

・ポジション後ろすぎ
・外脚の荷重不足
・スキートップへの荷重不足
・ポジション後ろすぎ
・左ターン時の外向過多
・腕が下がってる
・ポジション後ろすぎ

などです。

コーチからの指示はもう少し細かったのですが、ばっくり言えばこういうことだろうなと。

「ぎょ〜さん、腰高の姿勢が身についてきたら翔さんからの指示もどんどん細かくなってきましたね!」と達人から言われ危うくいい気分になりかけましたが、いや、いい気分になるのは早い。

大きな欠点が解消されたから指示が細かくなっていったのか、同じことばかり言うとモチベーションが下がるので気を使って細かい指示も出しているのかの区別は私にはつきません。そもそも、私は言われたことを言われたそばからできるようなスキーヤーではありませんので……。

意外だったのは、得意な左ターンのほうで「外肩・外腰が引ける・開く」と言われたことと(外向過多? 腰ハズレ?)、外傾不足(内倒)に関してはそれほど強くは指摘されなかったことです。

外向の度合いについては止まった状態で「このくらいで」と直されたのですが、それが自分的にはわりと小さな差で、<滑る姿を見てこの差がわかってしまうのか!>と驚きつつ、実際にその角度で滑ってみると外脚に前よりもずっしりと重みが乗るのがわかってさらにびっくり。横向きゃいいってもんじゃないんだなあ。角度だいじ。

あと、技術とは関係ない話。

この日はSLとGS両方使いますということだったので板を両方持ってゲレンデにあがるということを(たぶん初めて)したのですが、板2枚持ちって

まじつれえな!

駐車場からセンターハウスの移動だけで心が折れそうになりました。どうやって持てば運びやすいのかわからん。つうか競技板ってなんであんなに重いんだ。

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2015年12月14日

滑走面を顕微鏡で観察したら

丸沼で初滑り(屋根のないスキー場では)をしてきました。

末期的な雪不足でどのスキー場も悲鳴をあげている中、きっちり3面仕上げてきたのはさすが丸沼の底力。

しかしそのおかげで丸沼に客が集中し、リフト待ちはのべつ10分からそれ以上。こんなに待ったのは久しぶりです。あたしもう待つのはイヤ。

毎度。俺です。

滑走面を顕微鏡で観察してみたくなりました(そこに至った経緯はめんどくさいので省略します)。そこで、私の有り余る財力を投じて現代科学の粋を集めた最先端の顕微鏡を取り寄せることにしました。

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レイメイ藤井 ハンディ顕微鏡ZOOM RXT203
¥1,450(Amazon.co.jp)

「注文を確定する」ボタンを押したのは昨日の夜9時頃なのですが、きょうの朝8時過ぎには届いていたようです(家族が受け取った)。スキーから帰ってきたら品物が届いていたので腰を抜かしました。Amazonの即応力はだんだん狂気じみてきましたね……。

このRXT203の最大倍率は実に120倍。虫めがねの倍率が2倍ほどであることを考えると途方も無いパフォーマンスです。しかもLED照明のみならずUVライト(いわゆるブラックライト)まで装備しています。これが1,450円です。おそろしい時代になりました。

さっそく滑走面を見てみましょう。ところどころ草や土が見えている丸沼のグサ雪を一日滑った後の滑走面です。前日きちんとホットワックスしたのですが、すでに一面うっすら白くなり始めています。

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滑走後そのままの滑走面(120倍)

次に、よく研いだスクレーパーでドライスクレーピング、ナイロンブラシとスポンジやすりで古いワックスとケバ取りをしました。

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ドライスクレーピング→ナイロンブラシ→スポンジやすり

さらに、ガリウム・ユニバーサルベース(ガリ白)でクリーニングワックスをかけ、ホットスクレイピング、ナイロンブラシ、スポンジやすりをかけて汚れを落としました。

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クリーニングワックス→ホットスクレイピング→ナイロンブラシ→スポンジたわし

……。

え、えーと……

なんもわからん……

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2015年12月08日

俺のガンマターン、改め……

この忙しいのに、こともあろうにグランツーリスモ6(ゲーム)に今さら再ハマリしてしまいました。シルバーストーン超楽しいわ〜。

キャリアモードは(B助の力も借りながら)国際S級までクリアして、今は「レッドブルXチャレンジ」に取り組んでいます。しかし要求される動体視力や反応速度が私(の年齢)の限界を超えていて、なかば絶望し始めています。

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獲れました!

え? わからない? わからなくていいです。

毎度。俺です。

さて、先の記事で少しふれました「俺のガンマターン」。今シーズン私が取り組もうとしている滑走技術の軸となるフォームにこの名前をつけました。

ギリシャ文字で3番目のガンマの大文字「Γ」。L(エル)を逆さにしたような字です。察しのいい人はもうおわかりかと思いますが、Γの字のように、ひざを伸ばして腰を高くかかげ、上体を前に折るフォームをイメージしています。いわゆる「腰高のポジション」です。

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いやこれはスズキガンマ

古くからある概念に新しい名前をつけるなとお思いでしょうが、私にとってはΓの字が一番イメージしやすかったのです。あくまでもイメージであって、当然こんな格好では滑れませんが、Γの字を意識すると腰高姿勢に持って行きやすい、ということです。

腰高姿勢は昨シーズンまでも意識はしていた(つもりだった)のですが、今シーズン、足慣らしの狭山で思い切って「こんなに高くしたら滑れません」というくらい腰をはねあげてみたらまったく違う感覚がありました。

ひざには突っ張る以上の仕事をさせず、外脚全部を一本のつっかえ棒のようにして、そのつっかえ棒のてっぺんに重心を載せる。すると、重み(の反作用としての雪からの圧)やギャップの衝撃がひざで吸収されず、じかに股関節に伝わって来ました。なんだこれ。ひざで押してる感じじゃなくて、腰で押してる感じ。これか。ほしかったのはこれなのか。

改造中のフォームを見てもらった達人から「高さはよくなってきましたね」とのコメントをもらったので、どうやら方向性は間違っていないようです。

しかし難しい。

どう難しいって、「雪が遠くなった」。

まず、単純に、重心が高くなると安定性は失われますよね。自動車が低重心になるほど運転しやすく乗り心地が良くなり、背が高いクルマはその逆なのと同じです。高い重心は不安定なのです。

次に、ひざを使えない不便。股関節・ひざ・足首と3箇所の可動部で姿勢をつくっていた動作系からアクチュエーターがひとつ減るわけですから、当然ぎこちなく不器用になるし、残りふたつの負担が増えます。

さらに、大きく動かなければいけなくなった。腰が高くなると、同じ内傾角でも重心の移動距離は増えるのです。重心の移動量はスキーのエッジを中心とする扇型における弧の長さです。弧の長さは直径に比例しますから、腰が高くなったぶんだけ運動量を増やさなければいけないのです。

(「大きく動く」は達人と練習していると頻出する表現なのですが、大きく動くことが目的なのではなく、腰高姿勢を維持して深い内傾を作ろうとすれば動きは勝手に大きくなっちゃう、ということのようです。)

あと、もっと次元の低い話として、ひざを伸ばして腰を持ち上げると重心はかなり前に出るので前後ポジション覚えなおしだわー、とか、ターン後半でΓの字が「<」くらいに屈曲するので腹筋がつらいわー、とか。

あと、「ガンマターン」は語感が悪くてどうしても気に入らないのでネーミングを変えます。

再命名。「俺の最敬礼ターン」。言いたいことは同じです。

posted by Gyochan at 21:00 | Comment(11) | スキー