2015年07月08日

スバルライン登ったった

CAAD12が発表になりましたね。フレームセット165,000円税抜だそうです。フレームだけの単純リプレイスとしても、組み上げはショップに頼むし(工賃およそ3万円前後)、シートチューブ径が変わってピラーだけは買い直しなので、総額20万円は軽くオーバーしますな。

八王子なら家が建つ金額です。やっぱりもうしばらくCAAD7に乗ります。ダブルスコア(CAAD14)くらいまで待ちましょうか……。

毎度。俺です。

そんなわけで、富士スバルラインに登ってきました。

どんなわけか。

ヒルクライム大嫌いな私ですが、去年はヤビツ峠都民の森にも登ったし、富士スカイラインも半分だけですがふらふらになりつつ登りました。今年もすでに碓氷峠清里ラインだと、なんだかんだ言ってまあまあ坂道を登っています。

これらの経験から、だいたい自分のクライム力もぼんやりわかってきました。人並み以下には間違いないが、ほとほと救いがたい遅さというわけでもない。といったところでしょう。

ヤビツTTがちょうど1時間くらいなので、高校野球の県大会で言えば「1回戦負けは確実だが、コールド負けまではしないかも」というレベルでしょうたぶん。うん、むしろわかりにくい。

そして、自分なりのヒルクライムのコツもだんだんつかめてきました。当たり前に「イーブンペースに徹すること」なんですけど、最近ガーミンを手に入れたことでこのイーブンペースとやらを定量的に把握できるようになったのがでかいです。碓氷峠の回でも書きましたが「心拍150台がちょうどよい。160はたまに超えてもいいけど170は超えちゃダメ」というマイルールを設定することができました。

おかげで、ヒルクライムが嫌いなのは相変わらずですが少なくとも怖くはなくなりました。ひたすら10%以上みたいなひどい峠に登った経験はありませんが、いわゆるふつうの峠であれば自分でもだいたい登れそうだ、という自信がついた。

ならばそろそろスバルラインに挑戦してもいいかなと。山梨県八王子市に住む者として地元の山くらいは登っておかないとね。

前置きがやたら長くなってますね。まあよいのです。書きたいように書きます。

職場で受けさせられる健康診断が近づいていたこともあって(健診までに絞れるモノは絞っておきたいですヨネ)、いよいよ今年こそスバルラインに登らむと友達に声をかけたりしてタイミングをうかがっておったのですが、狙っていたFHCの翌週は悪天候のためクルマで下見をするだけにとどまり。

FHC翌週を狙ったのは、前だと出走選手たち(速い)が下見にいっぱい来てるだろーなーそれはやだなーやだなーと思ったからです。

結局、また悪友Kと「明日の天気いけそうじゃん?」といういつものドタンバプランニングが発動。急遽6/28に登攀が決定しました。この時点ですでに健康診断は終わっており無理して登る理由は特になかったのですが、気持ちが盛り上がっている今しかチャンスはないだろうなと。それに、7月に入って富士山が山開きするとふもとの駐車場もスバルラインも五合目も混雑しそうですし。

さて、スバルラインはFHCなどで計測ポイントがスタンダード化していることもあり、自分の走力のいい指標になります。上述のとおり私はヤビツが1時間くらいなので、スバルラインは2時間くらいというところでしょう(スバルラインはヤビツのおおむね倍と言われています)。よし。目標2時間ね。

7:00に北麓駐車場集合だったのですが、突然「おれやっぱ御殿場から登るわ」という謎のチャレンジを宣言したKの到着が遅れに遅れ、8:30の出走になってしまいました。お天気は上々、というか暑くなりそう。

計測ポイントは富士スバルライン有料道路の料金所からなのですが、料金所までの距離と勾配を甘く見ていました。ウォーミングアップもなにもしていないのに出だしから少しはりきってしまい(競争馬で言うイレコミ?)、料金所手前の3kmほどの登りで早くも心拍数は160台の天井にはりつき、腿にはうっすら乳酸がたまった感じに。

やばいよこれはやばいですよ……。

計時スタート地点の料金所脇のトイレでいったんオシッコをして気を鎮め、「落ち着け……落ち着くんだ……」と自分に言い聞かせながらまずは時計をチェック。8時55分。そーっとスタートして登り始めますが心拍はやっぱり簡単に168rpmくらいまで上がってしまいます。

あー失敗だー

スタートからいきなりやってもうたー

2時間切りが目標だなんてはりきるんじゃなかったー

ここから先は苦行でした。つまりコースほぼ全域にわたって苦行でした。距離は24kmなので時速12kmさえキープできれば目標の2時間は達成可能なのですが、だめです。僕には……僕にはその12km/hがつらい……サイコンに目を落とすと11.5km/h……。

終盤に平坦区間があることは知っていましたが、そこまでは基本的に登りっぱなしで脚を休めることができません。コース上で唯一勾配がない場所、すなわちたまに現れる駐車場に走り込んでは一瞬だけ息をつく、ということを駐車場のたびにやりました。ぜえぜえ。

あかん時はなんもかもあかんですね。

私は去年あたりから腰をキュッと前に入れて背筋を伸ばしたフォーム(いわゆるおじぎ乗りに近いスタイル)に変更していたのですが、料金所前すでにそのフォームを忘れてしまっていました。すると何が起こったかというと、腿前の筋肉を酷使してしまいスタート早々に脚が終わる、猫背で乗っていたため中盤早くも腰が終わる、腰が終わったため体重を支えられず肩が終わる、という痛みの連鎖。さらに、持病(?)の左足拇指球の痛みもこれに加わって全身を痛みに苛まれながらのヒルクライムになってしまいました。

「ホントはもっと楽に速く登れるのに……」

100mごとに現れるキロポストと時計をちらちら見比べては残り時間を計算しながら走っていましたが、だいぶ早い段階で2時間切りは無理とわかりました。

ごほうび区間のはずの平坦区間でも向かい風にはばまれてスピードが出ず、ゴール直前では大量の観光バスが渋滞を起こしていて進めなくなってしまいました。

そういえば、スタート地点は料金所と知っていましたがゴール地点知らなかったわ。どこまで計ればいいんだろ。五合目のちょっと広々したところに「G」と書いた立て札が立っていたので(立ててあるから立て札って言うんですけど)これがゴールってことでいいや、と時計を見ましたらば、11時02分。スタート時刻が8時55分でしたので、

2時間7分

が、公式リザルトでございます。

不満ッ! これぜったい2時間切れた。と思う。たぶん。

足着きせずに五合目にゴールしたといううれしさや達成感よりも、イマイチだったタイムとかあちこち痛くてちっとも気持ちよく登れなかった(=楽しくなかった)こととかの不本意気分のほうが大きくて、五合目に着いても「ヤッタゼー!」みたいな感じになりませんでした。

もっとも、2時間7分だろうが1時間59分だろうが平凡なタイムであることに変わりはありません。Mt.富士ヒルクライムの大会リザルトを見ますと、2時間ちょうどでは上位3/4に入れませんし、今回の2時間7分は上位8割にも入れぬ凡タイムです。

スバルライン、いつか再挑戦する。

すぐはイヤだけど。

posted by Gyochan at 00:52 | Comment(2) | 自転車

2015年07月04日

清里でぇと

また更新を長期間滞らせてしまいました。

このブログへのアクセス数はコンスタントに50件/日ほど(平日・トップページのみ・PC+スマホ)ですので、更新が滞っていた期間を約2週間としてノベにしておおよそ700がっかりを発生させてしまった計算になります。罪ほろぼしに、今回は少し長めに書きましょう……。

毎度。俺です。

こないだ軽井沢でサイクリングした悪友Kと、6/14(日)に清里に行ってきました。ブリリアントな高原リゾート地です。軽井沢といい清里といい、恋人どうしとしか思えないコース選定なのですが、Kとは誓ってそのような関係ではありません。

出発地の韮崎インターで降りると、風景になんだか見覚えがありました。あー前に一度クルマで来ていますね。そうだ、スポーツランドやまなしというミニサーキットで遊んだことがある

Kとのサイクリングではいつものことなのですが、この日のコースも前日の晩にあわただしく決まりました。金曜の夕方になってわりとムチャなコースを引いてくるので「それやだ」「それ却下」などと繰り返し引き直しをさせつつ、韮崎から清里までの「清里ライン」(国道141号線)約30kmをじわじわと登るコースに決定。

韮崎に7:00に集合。駅前の駐車場にパーク。パトカーの待機所にもなっていたので隣に駐めました。これで車上荒らしに遭ったら笑う。部活なのか練習試合なのか、弓道着だったりジャージだったりと色々な運動部の高校生たちが韮崎駅の改札口に吸い込まれていきます。部活動に熱心な若者がいる町は、なんだか無条件でいい土地という気がします。

韮崎駅をスタート地点としました。素朴な高校生たちが部活に出かけていきます

韮崎駅をスタート地点としました。素朴な高校生たちが部活に出かけていきます

清里ラインは出だしからすでに緩い登り基調。北杜市街を過ぎると勾配が急に強まり本格的な登りが始まりました。なんでKにつきあうといつもこんなに坂道ばっかりなんだろう、ぶつぶつ。しかもこの日はどうも調子が悪く、脚が重くて坂道がつらい。「いっさい疲労をためない」をモットーにしているKのペースでさえついていくのがやっと。

全体では30kmで標高差900mとかだから平均3%くらいでしょとナメていたけれど、大半の区間は5〜6%でわりとまっとうな登りでした。しかも天気がよくて日差しがけっこうこたえる。

登坂車線の標識には何度もがっくりさせられました。しかしサイクリングしていて一番うれしいのは「登坂車線終わり」の標識を見たときですね。

須玉市街を抜けるといよいよ登坂車線のおでまし

須玉市街を抜けるといよいよ登坂車線のおでまし

景色は素晴らしいが走らされているのは登坂車線

景色は素晴らしいが走らされているのは登坂車線

こんなですよ最高じゃないですかサイクリング最高

こんなですよ最高じゃないですかサイクリング最高

清里までの道のりのちょうど中間あたりに「道の駅南きよさと」という少し大きめの道の駅があったのでやれうれしやと立ち寄って大休止。「信玄ソフト」(ギュウヒときな粉と黒蜜をトッピングしてあれを思わせる仕様にしたソフトクリーム)を補給。

そのときのことです。

私が信玄ソフトを撮影中にKがうっかりテーブルをけとばして私の(一口も食べていない)信玄ソフトを台無しにしてしまうという偶発的アクシデントが発生。二国間関係が急速に冷え込み、サイクリングの続行が危ぶまれましたが、親切なスタッフがすぐに無料でもうひとつ作ってくれました。ありがとうございました。地球の平和は守られました。

山里にひっそりうずくまっている道の駅南きよさと。こういうたたずまいホント最高です

山里にひっそりうずくまっている道の駅南きよさと。こういうたたずまいホント最高です

これが噂の信玄ソフト(2個目)だ。奥にあるのはKの

これが噂の信玄ソフト(2個目)だ。奥にあるのはKの

「ようこそ清里高原へ」の看板をすぎるとさすが高原、空気がどんどんすずやかになっていきます。停車すると日差しがきついですが、走りだすと汗ばんだ体にひんやりした風があたって実に気持ちがいい。高原のサイクリングはいいなあ。とは言うものの、わりときちんと坂を登らされて「想像してたのとだいぶ違う……」と思いながら清里駅に到着。

梅雨の晴れ間の清里はまだシーズンオフで、マジで閑散としていました。午前中ということもあったかと思いますが、通りに並ぶ華やかな店はどこも開店休業状態。休憩を兼ねてしばらく駅前でぼんやりまったり。

清里高原に入るのも登坂車線

清里高原に入るのも登坂車線

清里駅と野菊。天気がよくて静かな日でした

清里駅と野菊。天気がよくて静かな日でした

駅前にはなぜかSL(C56ポニー)

駅前にはなぜかSL(C56ポニー)

ひとまず当初の目的地には到着してしまったわけですが、まだお昼前だしこれからどうしよう。

駅前では明らかにヒマを持て余したタクシーの運転者さんたちが手持ち無沙汰に立ち尽くしていたので、そのうちのひとりになにげない風をよそおって「静かですねえ」と世間話をフッてみたところ案の定食いついてきました。

「ええ、このへんは梅雨が明けるまではこんな感じですよ」
「どこから来たの。韮崎? ひゃー韮崎から登ってきたの!?」
「もうこの先は平ら。いちばんきついとこは過ぎましたよ」
「この先に『鉄道最高地点』手のがあるから、そこまで行ってきなよ!」
「野辺山が一番高い駅で、この清里が二番目。その間に最高地点があるの」

なんやかやと聞いてないことまでいろいろ教えてくれました。観光地のタクシーはガイドもできないと商売になりませんものね。声をかけて正解。お隣の野辺山まで脚を伸ばして、その「鉄道最高地点」とやらも拝見していきましょう。

いちばん高い駅・野辺山駅も鉄道最高地点も、まあ予想を超えるほどの何かはなくて「来たぞ」という記念にはなったかなという程度。

野辺山駅前にもなぜかSL(こちらもC56)

野辺山駅前にもなぜかSL(こちらもC56)

JR鉄道最高地点。ケーブルカーなどの特殊鉄道を除くと普通の鉄道ではここが一番高い

JR鉄道最高地点。ケーブルカーなどの特殊鉄道を除くと普通の鉄道ではここが一番高い

むしろKは途中で看板の出ていた「野辺山宇宙電波観測所」のほうが気になった様子。ならば野辺山駅前でヒマそうにダベッてるタクシーの運ちゃんたちに聞いてみましょう。「あそこの天文台って一般人も見学できるんですか?」

「できますよー」
すごい税金使ってやってるんだから、見ないと損だよ。見て見て

国の科学技術行政に対する敵意をうっすら感じましたがともかく見学はできるらしいので、清里ラインを脇にはずれて行ってみます。

野辺山宇宙電波観測所は要するに電波望遠鏡をたくさん並べた天文台ですね。広い敷地を自転車で回れたら最高なんですがもちろんNG。守衛所でパンフをもらって徒歩で入場します(無料)。ちなみに電波観測所では観測の邪魔になる電波は厳禁。私はガラケーの電源をオフに、Kもスマホを機内モードにさせられました。

クリートカバーを忘れた私は(いつも忘れる)、替えたばかりの新しいクリートが減るのを悲しみながらヒョコヒョコと見学コースを回ることになってしまいました。持ってるのに持ってきてない。

天文学にはまったく詳しくないですが、一応SF小説ファンのはしくれではあるので、大規模な天文観測施設にはテンションが上がります。同行のKのほうが楽しそうでしたが。うすぼんやりとしか理解していなかった、「複数の望遠鏡を合成して分解能を高める」という仕組みはこの見学でもやっぱりちゃんと理解できず、うちに帰ってから調べました(笑)。ここの説明 がわかりやすいです。

この風景を見てテンションが上がらない男子はおらんだろう

この風景を見てテンションが上がらない男子はおらんだろう

自分のウエストが細くてびびる

自分のウエストが細くてびびる

テレザート星からのメッセージも受信できるのだろうか

テレザート星からのメッセージも受信できるのだろうか

さてひと通りあちこち観光もしたのでそろそろお昼にしようか、と。野辺山周辺には自転車装束ですっと入れそうな店が見当たらなかったというか駅前の店は大半がシャッターを降ろしてしまっていて野辺山=オワコンの様相が明らかだったので清里駅に戻ることにしました。

観測所からは先ほどの鉄道最高地点あたりですっと国道に復帰できる道があるはずだったのですが曲がるべき道を見過ごしたらしく、登る必要のまったくない峠を登ることになってしまいました。標高差は100mほどでしたが勾配が10%近く、お昼ごはん前のカラダにはなかなか手応えが。

しかし登った甲斐あって、峠は八ヶ岳を一望できる素晴らしい展望が開けていました。平沢峠というそうです。

平沢峠からは八ヶ岳連山が一望に。サンメドウズ(スキー場)も見える

平沢峠からは八ヶ岳連山が一望に。サンメドウズ(スキー場)も見える

平沢峠から清里に戻るにも小規模な登り返しがあったりしつつ、清里では「グラタン専門店アミ」であつあつのグラタンとドリアをいただきました。このお店、たいへんおいしかったんですが(また食いたい)、先述の通りまだ清里がオフシーズンであったからか空いてました。夏休みに入ったらきっと行列ができることでしょう。

ちなみにこのお店の場合、(メニューにも書いてありますが)グラタンひと皿ではご飯にはちょっと足りません。いっしょにパンやライスを頼んだり、私たちはグラタンそれぞれに加えてドリアを半分こしました。

昼食をいただいたグラタン専門店アミ。うまかった

昼食をいただいたグラタン専門店アミ。うまかった

グラタンやドリアという料理の性質上、写真で味は伝わりづらい

グラタンやドリアという料理の性質上、写真で味は伝わりづらい

おいしいお昼も食べたのでとっとと帰ります。帰路は全部下りなので気持ちも軽い。あっ、「大門ダム」なんて看板がある! 寄ってみる? と、せっかく下るだけの帰り道なのにまた登る必要のない登りを追加してみたり。昼メシ食ったあとなので元気ですね、俺。

職場にダム女子がいるので彼女のためにダムカードももらってみました。初ダムカードもらいです。一緒にいたKは「なにいきなりインターホンとか押してんのこのヒトふざけんな」と思ったらしいですが。ダムカード収集はなかなか楽しそうな趣味ですね。ちょっと興味がわいてきました(たぶんやらない)。なに、ダムカードを知らない? すみません、ググッてください。

本来登る必要のない坂道ですがダムが見たい

本来登る必要のない坂道ですがダムが見たい

大門(だいもん)ダム。ダムと坂道はだいたいセット

大門(だいもん)ダム。ダムと坂道はだいたいセット

でまあ、あとはふつうにダウンヒルを楽しみながら韮崎まで帰りました。距離74kmほど、獲得標高は1,400mほどになったようです。

いっさい休憩することなく、かついっさい疲れずに長距離や峠を走る」というよくわからないテーマで自転車で取り組んでいたKですが、前回の軽井沢や今回の清里で「寄り道したり休憩したりしながらおもしろおかしくじわじわと目的地を目指すサイクリング」の楽しさにようやく目覚めたらしく、

こっちのほうが楽しい

とのたまっておりました。

「えっ、今ごろ気づいたの。これがサイクリングでしょ」

と言ってしまいました。

posted by Gyochan at 23:21 | Comment(342) | 自転車

2015年06月14日

「火曜ひざ」にはアイシング

隣国のMERS禍、会見で担当大臣が「アリ一匹も見逃さない姿勢で徹底対応する」と言ったとか。いやいや。相手ウイルスだから。アリさんよりもっともーっとちっちゃいから。

毎度。俺です。

ロードバイク 膝痛」で検索すると悩める自転車乗りたちの相談やブログがわさわさヒットするので比較的ポピュラーな悩みだと思いますが私も膝痛に悩んでおりました。おります。おりました。どっちだろ。

私の膝痛は、乗車中に起こることはまずなくて、だいたいライドの2日後にやってきます。これが憂鬱で憂鬱で……。

統計をとったわけではありませんが、「比較的負荷の高いサイクリングをした36〜48時間後に左右どちらかの膝が痛み、痛み始めから24時間以内に収束する」というのがいつものパターン。ひどい場合だと脚を引きずったり、階段が昇降できなかったり、椅子から立ったり座ったりがしんどいほどの痛みです。これにアキレス腱痛が加わることもあります。

日曜日に自転車に乗るとだいたい火曜日に痛くなるので、私はこれを「火曜ひざ」と呼んでいます。

自転車に乗り始めてから今までに私のフォームや乗り方は様々に変化していますが、この火曜ひざには一貫して悩まされてきました。乗り方によって軽減できるかどうか色々と試行錯誤もしましたが、決定打を得ることはできませんでした。

これはもうしょうがないな。元々40年近く運動の習慣がまったくなかったのだから、関節の耐久性は人様よりよほど脆弱だろう。走行中に痛みだすわけではないのがせめてもの救い、「自転車に乗ったあとにひざが痛くなるのはある程度しかたのないこと」と割り切ることにしました。

──なので、この件に関して「痛むのはどの部位ですか?」「原因はこうなのでは?」「ああしたほうがよい」「こうしなさい」といったご意見をもしいただいても、読みはしても参考にはしない可能性が大きいです。助言を無視されるのも無視するのも双方気分が良くないので、できればやめておいていただければと。今回私が強調したいのはむしろここから先です。

根本的な解決はあきらめたにしても痛いのは当然イヤなので、対症療法や予防法のほうをちゃんと考えることにしました。

走行後のストレッチはいちおうひと通りしていますが、私の場合ストレッチだけではあまり効果がないようです。ストレッチを入念にやっても適当にやっても、その後出てくる痛みに有意な差が出なかったのです。

そうだ、アイシングってどうなんだろう。

あの、氷嚢で冷やすやつ。野球のピッチャーなんか、試合中でもベンチの中で冷やしたりしてるあれ。あれをちょっと試してみるか。

40年間運動とは無縁でしたので、アイシングに関する知識はひとつもありません。Google先生に少しずついろいろ教えていただきました。

私の膝痛やアキレス腱痛はいわゆるオーバーユース障害使いすぎ障害とも)の軽いやつだと思うので、痛みの緩和、炎症の防止にアイシングはたしかに有効らしいです。オーバーユース障害は同じ動作の反復で起こる関節や筋肉の炎症。自転車のペダリングはまさにそれですね。

よし、やってみよ。近所のスポーツDEPOでアイシングバッグ(氷嚢)とそれ用のバンドを買ってきました。両方合わせて3,000円くらいだったかな。バンドは氷嚢を装着してサポーターのように患部に巻きつけることができます。

アイシングは運動の直後からやるのがもっとも効果的らしいのですが、膝に器具を着けてアイシングしている最中はほかの活動できません。休日の日中はサイクリングのほかにもすることがたいていたくさんあるので、結局やるのはその日の就寝前ののんびりタイムからになってしまいますね。

アイシングバッグにを詰め、ふだん痛くなるところ(私の場合ひざの正面や外側の腱)あたりをざっくりカバーするようにバンドで固定して、あとは横になって安静にします。

CA3I0005.JPG

ちなみにスネ毛は剃ってあります

これがなかなかひんやり気持ちいい。

15分〜20分くらいでバッグをあてがっている部分の感覚がなくなってきたら部位をチェンジ。左膝→右膝→左アキレス腱→右アキレス腱のローテーションを2周くらい回します。1周が1時間くらい。この間はテレビを見たり本を読んだりゲームをしたりネットサーフィンしたり、ある種のDVDを観たりしています。

ヒルクライム含みのロングライドをした時などは、念のためにアイシングを翌日の晩にもやります。

と、これが効きました。

火曜日が来てもちっとも痛くならない。なったとしても痛みは小さくて歩行にも影響ないくらい。そして半日もせずに引いてしまう。

冒頭で進行形にするか完了形にするかで迷ったのは、アイシングの効果がなかなかてきめんで、もはや痛みとはおさらばしたも同然だったからなのです。

ちょっと面倒だし時間もかかるアイシングですが、ここまで霊験あらたかだと、サイクリング後は絶対に欠かせない習慣になります。なりました。正直今こうしている間も特に意味もなくアイシングがしたいです。というか、私はアイシングをするために自転車に乗っているのかもしれません。すみません、これはウソです。

posted by Gyochan at 21:57 | Comment(6) | 自転車

2015年06月12日

HILLTOPのホイールバランシング

前の記事でもちらっと触れましたが、このゴールデンウィークに連光寺坂上にオープンしたという HILLTOP というサイクルカフェに休憩がてらおじゃましてきました。

ここがむかし「ヒルトップながさわ」というクリーニング屋兼酒屋兼タバコ屋兼雑貨屋兼……要するによろず屋だったことを覚えている地元の人もいるかもしれません。長らく(数年間)空き店舗だったのですが、軒先にバイクラックが置かれて、簡素なカフェができていました。

カフェと言っても空き店舗にそのまま(廃物利用とおぼしき)机や椅子を並べただけの質素な店構えで、ドリンク類はサーバーでセルフサービス100円。「HILLTOP」の看板はぜんぶ昔の店舗の使い回しなのでとことん初期投資を抑えていることがわかります。

私が訪れた日は外国人講師が大画面テレビを使って数名の外国人生徒を相手にヒルクライム教室を開催していました。英語がわからないのでそちらは聞かずジュースをいただきながらご主人と世間話。プロチームで30年メカニックをやっていた御仁とのこと。直感で、「この人は世間話させてもらえばもらうほど勉強になるタイプの人だ」と思いました。知識の泉ってやつ。

さて、本題。

この店には、珍しい自転車用のホイールバランサーがあって、自動車でタイヤを交換するときにやるようなバランス取りを自転車のホイールに施工してくれるそうです。

ホイールは横フレ縦フレを取り除いたとしても、その重心は必ずしもド真ん中に来るとは限りません(というか、ド真ん中には来ないのがふつう)。リムやタイヤの肉厚の微妙なムラが重心の偏りとなってダウンヒルなどの高速回転時にガタガタとした縦方向の振動を発生し、安定性を損ねてしまうのです。

クルマの場合は車輪の質量も回転数もケタ違いに大きいのでこの振動が看過できず、どんなクルマでもタイヤを組むときにこのバランシング作業は必須です。でも自転車ではあまり聞きませんよね。

ヒルトップでやってもらえるホイールバランシングも理屈は自動車のそれと同じ。専用の機械でホイールを高速回転させて偏心を計測し、偏心している部分の反対側にカウンターウエイト(小さな鉛のシールなど)を貼り付けて偏りを打ち消して重心を芯に寄せるという作業です。

バランシング作業はしてもらいませんでしたが、私のFホイール(キシリウムエリート)をためしにバランサーにかけてもらったところ、高速で回すと(時速70km相当)アームがガクガク振動して、たしかに偏心していることがわかりました。

同行の仲間が撮っていた動画。こんなマシンにかけます。動画だとわかりにくいんですがアームがかなりガクガク震えています

ちなみに同行した仲間のホイールもバランサーにかけようとしたのですが、そちらは26H(片側13H)という変態スポーク数のMAVICヘリウム前輪だったため適合するアタッチメントがなく断念。

バランシングしたお客さんがお店を出てすぐの連光寺坂の下から「これすごい!」と電話をかけてくるほど効果は絶大らしいので、興味のある人は連光寺のついでにお願いしてみてはいかがでしょう。工賃は片輪3,000円/前後輪5,000円だそうです。

この機械のような精度は到底望めませんが、自分でやる方法もあります。ホイールをふわーっと自由回転させてみて、毎回決まったところで止まるならバランス調整の余地があるということです。一番下にくる場所が一番重いということなので、その180°反対側に錘(おもり)になるものを貼り付けてバランスを取ります。止まる場所がアットランダムになるまで錘の位置と重さを調整します。お茶の間でできるバランス取り。

ただし、この方法では回転抵抗(ハブの摩擦など)に勝てないような小さな偏心は検知できませんし、ハブの回転ムラを偏心と誤検出してしまうおそれもありますね。ごく小さな偏心を是正するにはこのお店のマシンのような機械で高速に回転させて、偏心の影響を誇張してやる必要があるわけです。角運動量保存の法則ですね。

個人的に少し気になったのは、タイヤやチューブがどのくらい重心の偏心に影響するのかというところ。ホイールの質量構成比で考えればリムの重さが圧倒的なわけですが、もしタイヤやチューブも少なからず影響してくるとなると、それらを交換するたびにバランスの取り直しに……。

posted by Gyochan at 01:38 | Comment(4) | 自転車

客人と多摩丘陵坂めぐり

また更新が空いてしまいました。

はっきりとは記せませんがいつもブログ執筆にあてているとある時間帯に別のことに夢中なっているため記事を書けませんでした……。

毎度。俺です。

先週末は、かいぞー氏(私の競技スキーの師匠から請われ、地元の私の練習コースをご案内しました。スキー場では何度もご一緒していますが、自転車でいっしょに走るのは初めてです。人の縁はおもしろい。

早朝7:00に矢野口ローソン(ローソン稲城鶴川街道店)で待ち合わせ。南野セブン(セブンイレブン多摩南野店)もかなりなものですが、ここに集うローディーの数もすごいですね。トイレに列ができています。知らない人が見たら自転車のイベント会場に見える勢いです。

集合時間──の2時間後──に現れたかいぞー氏にマシンを見せてもらいました。15年くらい前に組んだものだそうです。

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かいぞーさんの愛車はフレンド商会のフルオーダー車レオパード。スレッドステムのクラシカルなたたずまい。コンポは105(8s)のフロント3枚

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ヘッドマークも凛々しいですね。しかしあちこちだいぶ汚れてますねこのマシン。俺に洗車させろ

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ホイールは完組ホイールの草分け、マビック・ヘリウム。このホイールが一世を風靡するまでホイールはリムとハブとスポークをチョイスして組む手組ホイールが一般的でした

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ちょっと私これ初めて見ました。シマノのビンディングペダルのようですがSPDでしょうか。型番がわかりません

以下、今回ふたりで走った道筋を駆け足で。

矢野口ローソンから多摩サイ(右岸・稲城市側)を上流へ1区間だけ。

多摩サイのこの区間、左岸(府中側)は人口密度がすごくてまともに走れる環境ではありませんが、反対側は別世界ですね。全然人がいません。木の根が舗装を持ち上げているデコボコがところどころ気になるくらいで、快適。

連光寺坂を登り、坂上に新しくできた「HILLTOP」というサイクルカフェで小休止。

ここでかいぞーさんの走力を値踏み。私よりずっと速かったらどうしようとこの日まで心配だったのですが、どうやらホストの面目はたもてそうです。

天国への階段から尾根幹線へイン、縦走し多摩境のスタバで大休止。

スタバではほかの客の自転車といっしょにワイヤーロックを施錠してしまい迷惑をかけたりしつつスキー談義に花。

小山田周回」へ入りメモリアル坂三高坂病院坂と笑顔でクリアして南野セブンで小休止。

さすがに小山田周回は私がダメでした。病院坂の後半でタレてへろへろ。いつも勾配がきつくなるまでの緩い上りで削られちゃうんですよね……。

尾根幹線をはずれて北上し、「松が谷周回」へ移動。愛宕一息坂を登ってから愛宕商店街の蕎麦屋「ふさよし」で昼食。

シャッター街と化している愛宕商店街ですがとうとう京王ストアも撤退してしまっていました。この日店を開けていたのは「ふさよし」とあやしい似顔絵屋の2軒だけでした。日曜日ということもあるのでしょうが、多摩ニュータウンの域内商店街はここに限らずどこもこんな様子です。

最後に松高坂を登ってもらって乞田五差路で解散としました。

上のマシンをご覧いただいておわかりの通り、かいぞーさんはもともと経験者。10年以上前には草レースに出たり、ショップのチーム練に混じってこっちのほうに来ていたこともあったようです。つまりスキーのみならずロードバイクも私の大先輩というわけ。なので今回は初心者は連れて行かないような(というか自分でもあまり行かないような)コースを遠慮なく案内しました。だいぶお楽しみいただけたようです。

かいぞーさんは基本的にたいへんほがらかな人なのですが、キツくてひいひい言いながらも終始笑顔でついてくるのでトレーニングパートナーとしては最高ですね。ここまで坂道を引きずり回されても「次行きましょう!」と前向きなので、今回の坂道三昧も「2時間遅刻のおしおき」として期待した効果は得られていない気がしました。

次はもう少しきついおしおきにしよう。

posted by Gyochan at 01:13 | Comment(311) | 自転車