ホームセンターで売ってる「シリコンスプレー」をボトルとボトルケージに吹いたらボトルの出し入れがスルッスルになってこれ最高です。
毎度、俺です。
さっそくですが本題。
趣味のロードバイクの世界には、「骨盤を立てるか寝かすか」という永遠の論争テーマがあります。
骨盤を立て、背中を丸く猫背にするライディングフォームを支持する「らくだ派」、骨盤を前に倒し、背筋を伸ばしたライディングフォームを支持する「おじぎ派」。
この二派はまるでキリスト教とイスラム教のように、資本主義と共産主義のように、電通と博報堂のように、エスカレーターの右側を空ける派と左側を空ける派のように、三菱自動車と富士重工のようにきっぱりと世界を二分し、反目しあっています。
局地的な紛争から全面戦争に至るまで、この二派の争いは今まで多くの血を流してきましたが、累々たる屍の山のその先にいまだ和平の兆しは見えず、この問題はいつ発火し爆発するか予測できない火種として日本中のサイクリングロードにくすぶり続けています。
さて、私個人といたしましては、両者の対立に関して今申し上げることはありません。
別にどっちだっていいじゃんと思っているからです。
私自身、両方の乗り方を使いますし。
ただこれだけは言っておきたい。
骨盤を倒すとサドルは上がります。
どーゆーことかと申しますと、まずは坐骨と股関節の位置関係にご注目ください。
雑な図で恐縮ですが、坐骨に対して股関節は上ななめ前方に位置しています。
さて、これまでらくだ派だったライダーがおじぎ派に宗旨変えすると仮定いたしましょう。骨盤を立てた状態から、坐骨の先端を支点にして骨盤を前に倒していったとき、股関節の位置はどう変化するでしょうか……?
股関節は下ななめ前方に移動するのです。
下ななめ前方に移動するということは、股関節がペダルに近づくということです。すなわち、近づいた分だけ脚の長さが余るということです。どのくらい近づくか。私の感覚ではセンチメートルオーダーで近づくと思います。体格やどのくらい立てていたものをどのくらい倒すかにもよりますが、10mm以上ということです。三角関数がわかる人は自分で計算してみてください。
つまり何が申し上げたいかと申しますと、
らくだ派からおじぎ派(またはその逆)にジョブチェンジをする場合、サドル高の見直しが必須になるということです。
以下、蛇足。
私は去年、懇意、と言うほどでもないけどかなりお世話になっているマングローブバイクスの大将から簡易フィッティングを受けた際にらくだ派からおじぎ派への転向をすすめられました。そのとき大将はなんと私のマシンのサドルを3cm近く上げやがったのです。
機長! なにするんですか!
と叫びそうになりました。昭和世代にしかわからない悲鳴ですが。
だって、それまで5mm上げようかな〜3mm下げようかな〜などとチマチマ微妙にいじってきたサドル高をですよ。いきなり3cmですよ。うろたえるなというほうが無理でしょう。そんな自転車に乗せられたらサオがもたない、と思いました。
この変更によって坐骨にサドルが嵌合する位置が変わり、新たな股間修行のフェーズに入った私のライディングフォームではありますが、慣れてきたら3cm上がったサドル高は確かに適正と思えるようになってきました。
ただ、その高さだとらくだ乗りはまったくできなくなってしまうのでそこから1cmほど下げて、らくだ乗りとおじぎ乗りの併用がぎりぎり可能な高さに再調整しました(微調整は前後位置で行う)。