「最近ちっともブログ更新してないよね」
ある日ノブオくんからそう言われました。
忙しいんだよ。書くヒマがないの。
「最近の記事いくつか見ても、なんか、いつもの感じじゃないよ」
どういうこと。
「どうって、出来事をだらだら並べてるだけで、なんだか面白くない」
面白くないとはなんだ。ほっといてよ。
「いつものつまらない冗談もないし、自分の考えも書いてない」
いいじゃん別に。俺の記録なんだから。
「そう言うけど、じゃあなんでブログに公開してるの? 記録ならfacebookとかでじゅうぶんじゃん」
それは……
「言わせてもらおうか」
なによ。
「きみのブログのいいところは、知識も経験も足りないビギナーがビギナーなりにあれこれ考えて奮闘するのを、悲壮にならないようにユーモアでくるんで見せるところでしょ。上級者はそれを読んで優越感を感じるし、初心者は読めばなんだかほっとする。要するにそういうブログが書きたいわけでしょきみは」
そ、その通りです。しかしずいぶんよくわかってるなあ。
「しかるに、」
しかるに、なんだい。
「今のきみのブログには、気楽に読める脳天気さがない」
えっ……
「よく考えてごらんよ。初中級者の行動記録なんて、情報としては無価値でしょ」
無価値!
「何かの役に立つわけでもない。かといって面白くもない。そんな文章を誰が何のために読むの」
ガーン! きみの言う通りだ……僕はどうすれば……
「前みたいに、ふざけてくだらない冗談を書けばいいじゃない」
なんか、最近そういうのが都合よくポンポン出てこないんだよね……
「気持ちに余裕がないんだね」
そうみたい。仕事とか。いろいろ。
「ま、深く考えずにぼちぼち書きなよ。また来るね。バイバイ」
そう言ってノブオくんは去っていきました。
ちなみにノブオくんというのは、34年前に13歳で交通事故で亡くなったある少年の霊です。ときどき私の部屋にふらりとあらわれては、こんなふうに僕にお説教をして去っていくのです。
安心してください。ウソです。
ノブオくんという設定は、友達のアキヒロくんが今考えついたものです。アキヒロくんというのは
「ぎょーちゃん、最近、筆が乗ってないね」
って言っていたよ。
たかしくんってのは、アキヒロくんの友達の隣の席にいた女の子で