2015年12月08日

俺のガンマターン、改め……

この忙しいのに、こともあろうにグランツーリスモ6(ゲーム)に今さら再ハマリしてしまいました。シルバーストーン超楽しいわ〜。

キャリアモードは(B助の力も借りながら)国際S級までクリアして、今は「レッドブルXチャレンジ」に取り組んでいます。しかし要求される動体視力や反応速度が私(の年齢)の限界を超えていて、なかば絶望し始めています。

CA3I0057.JPG

獲れました!

え? わからない? わからなくていいです。

毎度。俺です。

さて、先の記事で少しふれました「俺のガンマターン」。今シーズン私が取り組もうとしている滑走技術の軸となるフォームにこの名前をつけました。

ギリシャ文字で3番目のガンマの大文字「Γ」。L(エル)を逆さにしたような字です。察しのいい人はもうおわかりかと思いますが、Γの字のように、ひざを伸ばして腰を高くかかげ、上体を前に折るフォームをイメージしています。いわゆる「腰高のポジション」です。

TM12ob62433.jpg

いやこれはスズキガンマ

古くからある概念に新しい名前をつけるなとお思いでしょうが、私にとってはΓの字が一番イメージしやすかったのです。あくまでもイメージであって、当然こんな格好では滑れませんが、Γの字を意識すると腰高姿勢に持って行きやすい、ということです。

腰高姿勢は昨シーズンまでも意識はしていた(つもりだった)のですが、今シーズン、足慣らしの狭山で思い切って「こんなに高くしたら滑れません」というくらい腰をはねあげてみたらまったく違う感覚がありました。

ひざには突っ張る以上の仕事をさせず、外脚全部を一本のつっかえ棒のようにして、そのつっかえ棒のてっぺんに重心を載せる。すると、重み(の反作用としての雪からの圧)やギャップの衝撃がひざで吸収されず、じかに股関節に伝わって来ました。なんだこれ。ひざで押してる感じじゃなくて、腰で押してる感じ。これか。ほしかったのはこれなのか。

改造中のフォームを見てもらった達人から「高さはよくなってきましたね」とのコメントをもらったので、どうやら方向性は間違っていないようです。

しかし難しい。

どう難しいって、「雪が遠くなった」。

まず、単純に、重心が高くなると安定性は失われますよね。自動車が低重心になるほど運転しやすく乗り心地が良くなり、背が高いクルマはその逆なのと同じです。高い重心は不安定なのです。

次に、ひざを使えない不便。股関節・ひざ・足首と3箇所の可動部で姿勢をつくっていた動作系からアクチュエーターがひとつ減るわけですから、当然ぎこちなく不器用になるし、残りふたつの負担が増えます。

さらに、大きく動かなければいけなくなった。腰が高くなると、同じ内傾角でも重心の移動距離は増えるのです。重心の移動量はスキーのエッジを中心とする扇型における弧の長さです。弧の長さは直径に比例しますから、腰が高くなったぶんだけ運動量を増やさなければいけないのです。

(「大きく動く」は達人と練習していると頻出する表現なのですが、大きく動くことが目的なのではなく、腰高姿勢を維持して深い内傾を作ろうとすれば動きは勝手に大きくなっちゃう、ということのようです。)

あと、もっと次元の低い話として、ひざを伸ばして腰を持ち上げると重心はかなり前に出るので前後ポジション覚えなおしだわー、とか、ターン後半でΓの字が「<」くらいに屈曲するので腹筋がつらいわー、とか。

あと、「ガンマターン」は語感が悪くてどうしても気に入らないのでネーミングを変えます。

再命名。「俺の最敬礼ターン」。言いたいことは同じです。

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posted by Gyochan at 21:00 | Comment(11) | スキー
この記事へのコメント
「大きく動く」は、私は頻繁に使っていますね。
実はこれ、学生の時に白馬の矢口先生(コーチではなく先生と呼ばれていた)に教えてもらったことの受け売りです。

時代はカービングスキーになる前にさかのぼるのですが、私はタイムをだすにはズレないことが一番ではないかと考え、当時の200cmのSLスキーで今で言うレールターンで滑ることにチャレンジしていました。当時の曲がらないスキーをずらさないように、できるだけ小さな動きで切替だけでターンをして滑りきりました。そしてドヤ顔でコーチにコメントを求めました。

すると、
「全然ダメ。もっと大きく動け。レーシングは競争だ。競争なのに動かないことが最速なんてことはあり得ない。全身を大きく動かして、全部を速さに繋げることを考えることが大事なんだよ!!」
と普段僕らには温厚な矢口先生が珍しく厳しい口調で言われたんですよね。
これにすごく感銘を受けて、今もこれを大原則にしています。

競技をやらなくてもスキーはスポーツなので大きく動きましょう、って誰にでも言っています。ぎょうさんも嗜好としてこっちですよね?そう思って容赦なく動く方向に振っています。
Posted by かいぞー at 2015年12月09日 08:35
重心が高くなった不安定さは、エッジグリップの強さで解消させます。
腰高にすればぎょーさんも書いているとおり、腰に直接荷重感がくるし、エッジのグリップも強くなります。
足場が強固であればこわさもないし、安定しますよ。
Posted by かいぞー at 2015年12月09日 09:50
なるほど、あの言葉にはそのような歴史があったのですね〜。

「競争だから大きく動け」は、少なくとも言葉を聞く限りでは因果関係が希薄というか、根拠を見出しづらい指導ですが、メリハリのある動きを追求するほうが速道だということをその先生はおっしゃりたかったのですね。

私はコンパクトな動きの中に速さを見出そうとしたかいぞーさんの試行錯誤にもきっと合理性はあったと思います。ダイナミックレンジを広くとることと、ムダやノイズを減らしていくことの組み合わせで滑りは最適化していくんだと思います。
Posted by gyochan at 2015年12月09日 10:46
私のレールターン作戦は、切替でしか動かない作戦だったのでスキーのたわみがほとんど活かせない滑りだったんですよね。
もっと自分からスキーを押して、その反発を落下とあわせて活用してスキーを走らせるとか、自分から重心を谷側に入れてどんどん落下させるとか、速く滑るための運動要素を削り落としてのレールターンだったので。

あとは、無駄な動きをしないように動かない、としていると新しい動きが覚えられないと思うんですよね。まずは、動いて新しい動きを体感する、そしてそのあと無駄な動きを取り除く、というほうがわかりやすいな、というが私の実感です。

Posted by かいぞー at 2015年12月10日 08:44
「無駄な動きを削るのはまず大きく動けるようになってから」
これもよくおっしゃってますね!
基本を抑えたうえで無駄を削ぎ落とすのと、削ぎ落とされた結果の滑りをカタチだけマネするのとは違うよ、と。これは非常に納得感のある教えだなと思いました。
Posted by gyochan at 2015年12月10日 11:15
そうでしたね。
無駄でもいいから大きく動いて、大きく動きを変えないと、全然変わったうちに入らないんですよ。

こっちは滑りのビデオを頻繁にとるようになってから気が付いたのですが、動きが小さいうちは本人は変えたつもりでも、ビデオでみると全然変わっているように見えなくて。難易度の高い間違いさがしみたいです。しかも自分がイメージするかっこいい滑りにはほど遠いと。

ということで、大げさにチャレンジするのが近道です。
Posted by かいぞー at 2015年12月11日 13:15
またまたいい感じで理解が進んでいますね。
「次に、ひざを使えない不便。股関節・ひざ・足首と3箇所の可動部で姿勢をつくっていた動作系からアクチュエーターがひとつ減るわけですから、当然ぎこちなく不器用になるし、残りふたつの負担が増えます。」

そうなんです。膝は伸ばすのですが突っ張ってはダメなんです。今回突っ張るぐらいまで伸ばしてもらったのは、
「ひざで押してる感じじゃなくて、腰で押してる感じ。」
を体感してほしかったからなんです。

で、これをブーツの前傾角にあわせて自然に立つと、もう少しだけ膝が曲がります。でも、太ももは縦になっているので、腰にスキーからの力が伝わるはずです。
このポジションが腰高です。
これでターン中の動きを作れるといい感じですよ。
まずは、これで緩斜面で失速しないカービングターンを。
中斜面ぐらいスピードに乗って滑ると、乗らなくてはいけない真ん中が思ったより前にあること、などを感じ取ってください。

これが行けるようになったら次は切り替えのコツにいきますが、まずはこのスキーの圧を捕まえられる腰高のポジションの習得です。これがいければ間違いなくタイムが縮みますよ。
Posted by かいぞー at 2015年12月11日 13:20
こんなのは如何かな?
https://skfb.ly/JtSr
Posted by KNJ at 2015年12月16日 00:26
しまった、こっちが先だった
http://www1.e-hon.ne.jp/images/syoseki/ac/06/30495206.jpg
Posted by KNJ at 2015年12月16日 00:27
KNJさん
鉄人ガンマむっちゃ懐かしいですね(笑)
ちょうどこの時期モーニング読んでました。

それにしてもCG着実に進化してますね〜。
ワンピのツヤがすごいですね。
Posted by gyochan at 2015年12月16日 23:41
かいぞーさん
油断するともとの膝折れポジションに戻ってしまうので、とりあえずクセになるまで滑りこまないとと思ってます。

このポジションでふくらはぎとアキレス腱の間あたりという奇想天外な場所が筋肉痛になりました……。
Posted by gyochan at 2015年12月16日 23:45
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