先日行った車山高原スキー場にはスポーツマンコースというコースがあったのですが、見た目かなりな斜度だったので滑るのはやめておきました。あと、女性の前では連呼しにくいコース名だなあと思いました。
毎度。俺です。
先日の車山高原ですごくいい感じだったと先の記事で書きましたが、あの時の感覚を忘れてしまってもう二度と再現できないのではという不安と恐怖に今、こうして会社で仕事をしている間も(←してない)いてもたってもいられません。
なにしろ、あの日の車山は私にとって明らかに勘違いバーンでした。私が得た好感触・好感覚は何かの間違いだったという疑念が払拭できません。
たしかに、雪質・圧雪ともに自分の好みにドンピシャに合致すると、すごくスキーがうまくなったような感じがしますよね。しかし、この勘違いバーン現象ってなんなのでしょう。
気温が低く、粒子の小さい軽い新雪が硬く平滑に圧雪されたばかり。このような「よく締まった」コンディションが、勘違いバーンとして一般的な定義だと思います。
適度に硬くて平らなのでスピードが出るし、高速でも恐怖感がない。したがって爽快感が高い。また、エッジがよく噛むので、通常以上によく曲がるしよく止まる。つまりスキー操作がたやすい。こうしたゲレンデ特性が、スキーヤーにまるでスキーがうまくなったかのように錯覚させる。これが勘違いバーン現象 misunderstood slope phenomenon の正体だろうと私は思っています。
よく、悪条件のバーンを滑りこむことが上達への近道であるといった意見を見ます。これは真実でしょう。私もグサグサの悪雪やコチコチのアイスバーンを滑ったことで得られた貴重な感覚がたくさんあります。たしかに悪雪滑走は効率的な鍛錬になりますが、怖いし疲れるし、なにしろ根性がいります。近道かもしれないけどそれだけが道じゃないですよね。
では、勘違いバーンで練習しても実力は向上しないのでしょうか。無益に滑走時間を上積みしただけで、いい気分だけ味わって終わり、ではいささか残念な気がします。
きっと、何も考えずに滑っているだけでは上達しないばかりかヘタになる可能性すらある気がします。スキー操作がたやすいコンディションの中では少々雑な動作や悪いポジションでもボロが出にくいので、「これでいいのだ」とそれ以上の工夫をやめてしまう危険性がありますよね。まさにこれが勘違いバーンの勘違いバーンたる所以なのですが。
しかし一方で、勘違いバーンで練習するメリットもあると思うのです。
たとえば、恐怖感を感じにくい斜面だから思い切ったことを試せる、とか。
外来ノイズの少ない条件だから目的を絞った練習の効果が得やすい、とか。
スキー操作がたやすいので苦手な動きについても成功イメージを体験しやすい、とか。
なにしろ爽快なので練習が苦にならない、とか。
もちろん、勘違いバーンでしか再現できないようなことを練習してもしかたないのですが、そうではなく、今まで知らなかった何かに気づく、何かを体験するにはむしろ絶好のチャンスなのではないかと感じました。
私の場合は、先日の勘違いバーンで角付け量のブレイクスルーが起こり、緩斜面でも両スネが同調してぐわんぐわん回り重心がどすんどすん落ちるダイナミックなショートターン(で滑っているように感じる何か)ができてしまって、感動で泣くかと思いました。
この感動の滑りが普通のゲレンデで再現できるかしらというのが冒頭で書いた不安と恐怖なのですが、ともかくフィーリングはかろうじて残っています。今週末は滑れない公算大なので来週まで忘れないように何度も反芻しています。
とまあ、なんのかんの書きましたが、結論はこれです。
勘違いバーン、大好き!
勘違いバーンとは、ちょっと違うかもしれませんが、デコボコや捻れの無い超緩斜面(出来れば、堅い方がいいなぁ…)は、いい練習になりますよね。
大きく動くことから始めた方が上手くなります。たとえそれが無駄な動きであっても大きく動けるというのは動かないよりも何倍も上手くなります。
そう考えると勘違いバーンはいい効果がでていると思います。
動ける様になったら無駄をそいでいけばもう上級者です。無駄を削ぐにはアイスバーンとか緩斜面が効果ありますね。
>KNJさん
斜度タルッタルで硬いというと、KNJさん御用達のブランシュのキッズファンコースとか、アサマ2000のステージ1、たんばらのファミリーコースとかですね〜。丸沼のブルーもかな。
>かいぞーさん
大きく動いたことがない人には「大きく動く」の意味がわからないんですよね。何が大きく動くってことなのかピンとこない。
ノーストック練習したりエクストリームカービングもどきで遊んだりジャンプしたりして大げさに動くイメージをつかむところからですね。
>gyochanさん
たとえば、右ターンから左ターンに入っていくためには、スキーの右側にいた身体をスキーの左側に持って行かなくてはならないわけです。
画が出るかな?
<div style="text-align: center"><a href="http://nsdknj.up.seesaa.net/image/ImatraOff3F.jpg" target="_blank"><img src="http://nsdknj.up.seesaa.net/image/ImatraOff3F-thumbnail2.jpg" alt="ImatraOff3F.jpg" border="0" height="215" width="320"></a></div>
この移動幅が大きければ深く回り込むし、少なければ浅回りになります。
緩斜面の場合は、スキーに対してどれだけ身体が移動できるかってことに集中できるのですが、斜度が大きくなってくると、今度は斜面に対してどれだけ動かなくてはならないかという問題が出てきます。
つまり、超緩斜面なら、身体を鉛直に起こすだけで、スキーに対しても斜面に対しても、ほぼ、真ん中と言っていい状態に出来ますが、斜度が大きくなってくると、鉛直を通り過ぎて斜面に垂直なところまで身体を移動させていかないと「真ん中」(ニュートラル)になりません。
ということで、大分端折りますが、緩斜面で大きく動けるように練習して、斜度が大きくなってもそれに対応できるようにしていくのが大事かなぁ…と。
>KNJさん
すみません。コメント欄はHTMLタグ無効なんです(URL自動リンクすらしません)。
各論は置いといて、私レベルでは現在は「可動範囲を広げる」とともに「可動範囲のイメージを広げる」というイニシャル値の設定がまずは肝要と思ってます。「ここまで動けるし動かしていいんだよ」っていう。
ブーツ底を中心とした半球形の体積をできるだけ広げるイメージです。