2014年08月04日

基礎スキーについてもう少し考えてみた

かねがねルーフボックスがほしいとひそかに思っていたのですが、友達がいきなり「ぎょ〜ちゃん、ルーフボックスいらない? もらってくんない?」と言ってきました。場所をとるので手放したいとのこと。新品で10万円くらいするちゃんとしたもののようです。ラッキー! ああ、神様は見ていてくれるんだな……。

ところで神様、ベースキャリアはいただけないのですか?

毎度。俺です。

SAJ教程のことはSAJ一門の好きにさせておけ、といったようなお話を前回いたしましたが、さっそくコメント欄が盛り上がったようです。

このようにSAJ教程の話題となりますとスキーブログや掲示板はたいへんにぎわいますし、SAJの内外問わず、かまびすしく議論される場面によく出くわします。なぜSAJ教程はこんなにもほっとかれないのでしょうか。私はそこにふたつのミスマッチがあるからだと思っています。

ひとつは、生徒が求めているものSAJ校が教えていることのミスマッチ。

もうひとつは、社会が求めているものSAJ教育本部が提供しているもののミスマッチです。

このふたつは互いに関連しているので重複しあう部分も多いのですが、バカが語っていると思って読んでいただけると気になることも気にならないと思います。筆者はあまり頭が良くない、この大前提をまず呑み込んでおいてください。

さて、まずひとつめ。生徒が求めているものSAJ校が教えていることのミスマッチについて。

どこのスキー場でも同じだと思いますが、何も知らない初心者や自己流に行き詰まった中級者がスキー学校の門を叩くとき、そこで教わるのはたいてい基礎スキーです。

ポールレッスンしてくれとかトリックを教えてほしいといったリクエストがあればプライベートレッスンというかたちで応じてくれるスクールはあるかもしれませんが、何も知らない初心者や自己流に行き詰まった中級者にそんな具体的なニーズがあるはずもなく、何も言わずに一般レッスンに入ればほぼ100%、検定をスコープとした基礎スキーのレッスンになるでしょう。

スキー学校はそうした「ゲレンデでそつなく滑れるようになりたい」といった程度の漠然とした目的意識しか持たない生徒の受け皿となってレッスンをほどこし、その成果として検定を受けてもらい、さらには昇級をモチベーションにリピーターになってもらうというお習い事のレールに乗せるのが商売です。

レッスン料や検定料・登録料を安定的継続的に集金するのがスキー学校経営の核となるビジネスモデルであり、また、お習い事は日本人の国民性によくフィットしていてそれはそれで楽しいので、スキー学校はこの方式でこれまでにもレジャースキーヤーの裾野を広く受け持ってきました。

ここまでなら生徒のニーズとスキー学校の講習内容はほどよくマッチしているように思えます。

しかし、基礎スキーをいくら習い続けても基礎スキーヤーにしかなれないという点をスクールではわざわざ説明してはくれません。

ゲレンデを楽しく滑ってたまにバッジをもらうというスタイル以外にも、スキーには競技やフリースタイル、オフピステやバックカントリーといった様々な楽しみ方があります。アルペンスキーというくくりをはずせばもっと世界は広がります。でも、スキー学校で教える基礎スキーではそれらはカバーしきれないこと、近年はそれらの上達をむしろ阻害しさえするものを基本技術として教えたりもしていた、ということを生徒は知らされないままお習い事のレールに乗せられてしまうのです。

私はSAJのスクールにもSIAのスクールにも何度かずつ入校しましたが、そこで授かったノウハウが今ゲレンデで遊ぶ上で何かの役に立っているかは今もって確信を持てずにいます。競技スキーに関して言えばほとんど役に立っていない、というかじゃっかん邪魔になっている気さえします。

でも、バッジを取るためには確かに必要不可欠なレッスンでしたよ。つまりそういうことなのです。

生徒は、スクールで習う基礎スキー以外にも多種多様なスキーの楽しみ方があること、それらにはまた別の技術が求められること、けれどそのスクールでは教えてくれないかもしれないことなどをいずれ自力で発見することでしょう。スキーのことを知れば知るほど「俺が覚えたいのはコレジャナイ」という思いを強くする人も中にはいるでしょう。基礎スキーはすべてを与えてはくれない

これが私の考える「生徒が求めているものとSAJ校が教えていることのミスマッチ」です。

論考をシンプルにするために故意に誇張したり一面だけを取り上げたり強引に単純化した部分はあります。そう感じた部分はどんどんツッコミを入れて補足してください。

次回はもっともヘビーなテーマ、「社会が求めているものとSAJ教育本部が提供しているもののミスマッチ」に取り組まなければなりません。こんなこと書き始めなければよかった。手に余る。

【「スキー」カテゴリの最新記事】
posted by Gyochan at 20:00 | Comment(7) | TrackBack(0) | スキー
この記事へのコメント
基礎スキーのレッスンが

バッジテストに合格するためのものにすらなっていないって話もあるんですよ。
Posted by KNJ at 2014年08月04日 22:03
Re:基礎スキーのレッスンが

>KNJさん
おだやかじゃないですね。どんな話ですか?
Posted by gyochan at 2014年08月05日 14:43
Re:Re:基礎スキーのレッスンが

>gyochanさん
自分の身の回りでも似たような話はあるんだけど、文章化されてるものとしては
http://www.janis.or.jp/users/hpalpine/ski-kou-14.htm#nani
みたいな話とか。

熱心に習えば習うほど、下手になってしまうという感じ。
1級なんて、結局は、キレのいい大回り、安定した不整地小回りが出来れば、くだらない理屈なんぞ関係なく受かる訳で。
Posted by KNJ at 2014年08月06日 12:06
Re:Re:Re:基礎スキーのレッスンが

>KNJさん
何十日もかけて生徒を合格させられないデモもデモですが、結果が出ないのに無反省に同じ人から習い続ける生徒も生徒だと思います。これは構造的な問題というより個人の意識の問題でしょう。

よほど上手な人でないかぎり検定対策のために事前にスクールに入校しておくことはたぶん必須だと思いますが、スクールに通い詰めることが合格への最短コースかというとそれも違う気がしていて、スクールが検定対策しかしてくれない以上、ベースとなる技術作りは自力でやらなきゃいけないのかなあと。おかしな話ですが。
Posted by gyochan at 2014年08月07日 12:41
Re:Re:Re:Re:基礎スキーのレッスンが

>gyochanさん
>ベースとなる技術作りは自力でやらなきゃい
>けないのかなあと。おかしな話ですが。

まさに、そんな感じですね。ただ、個人の問題と言い切れないのは、指導員の見本であるはずのデモが、指導メソッドを持ち合わせていない、そして、それが許されてしまっていることでしょう。
Posted by kNJ at 2014年08月07日 15:16
無題

初めてメールします。
カービングが現れて市民権を得た辺りまでスクールに入っていました。今では年一回位友達と滑りに行くくらいです。昨年久しぶりにyoutubeでスキーを見てみたら案山子のように滑っているのを見て検索したらこの論争にぶつかりました。個人的に一番ショックなのは基礎スキーをやっているコーチに競技を習っても混乱する(上手くならない)という記事を雑誌で読んだ時でした。スキーファンとしてはオリンピックなんかのスキーの扱いは残念でなりません。強いスキーヤーが出てくれば人気が出てくるのでは?といつも思っていて、その為には子供にスキーの基礎を教えるコーチが大切だと思っているわけです。無理のない体の使い方は基礎も競技も無いはずだといますのでレジャースキーヤーもゲレンデを楽に滑り降りることができ、競技スキー上達の礎になる基礎スキーになって貰えたらなぁと思っている次第です。
Posted by 許ッシン at 2014年08月07日 23:53
Re:無題

>許ッシンさん
コメントありがとうございます!
まさにおっしゃる通りです。すでにご存知かもしれませんが、ここ10年ほど、基礎スキー界はほかの競技とは断絶した独自の技術を教えており、「失われた10年」などと言われています。昨年ようやく指導方針が見直されました。
基礎スキーを「オリジナルなローカル競技」ととらえるか「あらゆるスキー競技の基礎となるべきもの」ととらえるかでその是非は変わってくると思います。そのへんは続く記事で書いていきたいと思っております。引き続きよろしくお願いします。
Posted by gyochan at 2014年08月08日 11:24
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/118831326

この記事へのトラックバック