2014年02月18日

マスコミが報道してくれないって?

先週末のバレンタイン豪雪、今も各地で影響が続いていますが皆様ご無事でしたでしょうか。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

毎度。俺です。

私は土曜日に石打で滑るお誘いを受けていたのですが、圏央道も関越も通行止めでしたし、そもそもクルマを車庫から出せる状態ではなかったのでキャンセルさせていただきました。クルマのタイヤが雪で隠れかかっていましたから、最高で60cm近い積雪があったことになります。何年かぶりで雪かきというものをして、火曜日の今日になってようやくその筋肉痛が引きました。スノーダンプほしいなあ。

さて、今回はふだんそれほど大雪が降らない地域を豪雪が見舞い、備えの無さゆえに集落あるいは地域ごと孤立するという事態が各地で発生していました。とりわけ山梨県内は深刻だったようです。

山梨孤立の報は、マスコミのニュースよりもSNSのほうが早かったですね。雪に閉じ込められた人々から直接発信される悲痛な叫びがfacebooktwitterで次々とシェアされ、回覧されてきました。

そうした投稿でよく目についたのが、「マスコミはこのことをまったく報道してくれません!」という恨み節。そしてそうした投稿を見て義憤に駆られて行政やマスコミに対して怒りの声をあげる(被害区域外の)一般市民。

現地の方にしてみれば、深刻な被害が出ているというのにマスコミがこれを報じないのは「故意に無視された」「黙殺された」「報道する価値がないと判断された」と感じて腹が立つのかもしれません。そして野次馬がそれを行政やマスコミの怠慢に帰したがる意識もわからなくはありません。大手の配信するネットニュースの中には訳知り顔でソチオリンピックにからめたトンチンカンな謎解きをしてみせる噴飯ものの解説記事もありましたね。

しかし私は、マスコミの報道が遅れた事情もなんだか察せられる気がします。

事態が深刻なほど、それが報道されるまでには時間がかかるんじゃないかと。

まず、報道に期待されること、一義的な社会的使命って何でしょう。

客観的事実迅速かつ「正確」に伝えることだと思います。この正確さについて考えてみます。

報道機関は、伝聞、また聞きといったあやふやな情報を右から左にそのまま報道することはありません。基本的には報道機関自身が直接取材して確証を得た情報か、そうでなければ企業や公的機関の報道発表でなければ報道しません。いかに確度の高いと思える情報であっても、それが伝聞であれば必ず一次情報源(=当事者)にあたって裏付け取材(ウラを取る)をするはずです。私は報道関係者でもなんでもありませんが、これはたぶん常識だと思います。

たとえば報道機関の記者の誰かがSNS上で被災者の悲痛な叫びを目にし、これを報道すべきだと考えた場合も、当然の手順としてウラをとります。ソースがその投稿だけでは精緻に作りこまれたデマと見分けがつきませんし、発信者が何かを勘違いしている可能性を排除できません。とにかく、裏付け取材が必要になるわけです。

今回、山梨の惨状がなかなか報道されなかったのは、このウラがなかなかとれなかったからだろうと私は考えています。

以下は私の想像です。

今回、報道機関の記者が自ら孤立集落におもむいて取材することはできませんでした。なぜそう言い切れるかって、記者が現場にたどり着けるのなら、そこは孤立していないじゃないですか。つまり直接取材は不可能。だとしたら、役場など身分・所在のはっきりした場所に電話取材するか、公的機関の発表に頼るしかありません。しかしあの時、市町村にどれだけの情報収集能力があったでしょう。役場も、職員の自宅も、それぞれをつなぐ道路もすべてが雪で閉ざされ、状況を正確に把握するのにはかなり時間がかかったのではないでしょうか。

お役所の発表する情報は報道機関に輪をかけて正確でなければいけません。「孤立してるっぽい」「○人くらい閉じ込められてるかも。あ、いや、そんなにいないかも」といったあやふやな情報では発表する意味がありませんよね。孤立したと言い切るためには、そこへ通じるすべての道路や公共交通機関が不通で、確かに外界と隔離されてしまったエリアが存在することを確認しなければいけないわけです。どうやって確認したんでしょう。今まで経験したことのない1m以上の積雪に囲まれ、除雪能力もない中でこれをすることの困難さは、この日自宅で雪かきをするハメになった人ならおぼろげに想像できるのではないでしょうか。

つまり、孤立しているのになかなかそれが報道されないまま過ぎたもどかしい時間というのは、被害を軽んじて放置していた時間ではなく、具体的な一次情報をかき集めて発表・報道が可能な確度に達するまでに要した時間なのではないか、その間情報収集は必死で行われていたのではないか、と私は想像しています。

やがて様々な機関による調査で多方面から状況把握が進み、17日の段階では各地の状況が(おそらく正確に)報道されるようになったのはご存知の通り。義憤の声をあげていた野次馬たちの溜飲も下がったようですが、被災者はともかくとして、はっきり申し上げて野次馬たちが騒がなくてもきっと物事は同じように推移したことでしょう。行政も報道も、言われなくても果たすべきことを粛々と果たしていただろうと思います。

何を言いたいのか、よくわからないですかね。ですよね。

SNSの全能感に酔いしれている人たちが考えているほどには、世の中そう大きく変わっちゃいないんじゃないかな。っていうこと。

posted by Gyochan at 22:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | その他
この記事へのコメント
ブログ読ませていただきました!

読ませていただきました!僕はLINE裏ワザなど密かに書いてます^^色んな裏技あるんでよかったら見てみてくださいね♪
Posted by LINEスタンプを無料でGETする方法★ at 2014年03月04日 03:17
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