毎度。俺です。
昼過ぎにニセコに着いた我々は、その日はひとまずグランヒラフエリアで遊ぶことにしました。ホテルがすぐふもと、ホテルニセコアルペンなので。
いやあ、広い。
広いし、雪質が、なんか、ヘン。ワックスはしこたま入れてあるのに、板が全然滑らない……。雪温が低すぎるようです。ガリウムのブルー(-12°〜-3°)では手ぬるかったようです。ハイシーズンの北海道ではグリーン(-20°〜-10°)を入れなきゃいけないのかよ!
そして、斜度のゆるい場所をゆっくりとプルークで徐行していると、足元から何やら楽しげな音がしてきます。
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弦楽四重奏団がめいめい好き勝手に練習してるみたいな音が左右の板の下からステレオで聞こえてきます。そりゃあもう騒がしいです。本州のスキー場でも雪がキュッキュ言うことはありますが、ニセコは音色も音量も全然違います。この音楽を聴けただけでもひとつ貴重な経験をしました。
板の温度が下がってくるにしたがって滑走性は良くなってきましたが、やはりスケーティングではつっかえるような抵抗感がぬぐえません。しかしそれが不満なのは平地・緩斜面だけで、斜度のある場所を滑っている限りは気になりません。というか、雪質の良さによる滑りやすさがすべてを帳消しにしています。
ニセコの整地はたいへんよく締まったゲレンデ。芯が硬く表面がやわらかい感じでエッジがとてもよく噛みます。「自分がうまくなった気になるスキー場」は私の今までの経験でもいくつかありますが、ニセコのうまくなった感はハンパないですね。これはきっとルスツなど北海道の別のスキー場でも同じことなのでしょう。この味を覚えてしまうのはよくないですね。よくない……。
ゲレンデ幅がやたら広い上に人口密度も低く、ゲレンデを取り巻く地形もやたら広大で、とにかくスケール感が狂う。スケール感が狂うということは、スピード感が狂う。なので、ともすればスピードオーバーになる。
同行のS君「さっきすごい勢いでカッ飛んでいったな」
俺「は? 俺?」
当人にはスピードを出しているという意識がない。でも、ゲレンデが空いていて広い上に板がコントロールしやすいので取り立てて問題がない。なんだこのスキー場は。しかも斜面は地形に応じて時おりねじれたり斜度が変化したり片流れになったりと、長距離を流していても飽きがこない。なんだこのスキー場は。
さらに驚いたのは外国人の多さ。
まず間違いなく、外国人客のほうが多いですね。その多くは欧米の方々。いわゆる青い目の外人さんたちです。この日私はミドラーにスイスナショナルチームのレプリカウエアを着ていたのですが、レストランで当のスイス人たちから嬉しそうに声をかけられました。「お前スイスか! 俺達もスイスだぜ?」うっかり他国のウエアを着てこれないですね(笑)。アジア系の方々もいましたが、ちらほらという感じ。
結局、初日はナイターの時間まで食い込んで20時近くまで延々と滑り続けてしまいました。グランヒラフのナイターエリアはヒラフゴンドラ(1,878m)のカバー範囲。これかなり広大。2kmのロングをゴンドラで回しまくれるナイターというのは本州ではなかなかお目にかかれないのではないでしょうか。しかもナイター照明が点灯し始めてからのゴンドラ乗り場はがら空きでした。
そんな具合で、へとへとになるまで滑り込んだ初日でした。
翌日はいよいよゲートの外に出てニセコ名物のオフピステ滑走となるわけなのですが、長くなったのでまた次回。
以下、アルバム。