ところで、今の若い人たちに「ボットン便所」って言葉は通じるんですかね。
毎度。俺です。
この週末は学生時代の部活仲間たちとのレジャースキー。毎年の恒例行事で、いつも10人くらい集まります。今年は9人。これまで志賀高原、磐梯、栂池などに行き、今年は苗場です。
ホテルの窓から苗場が一望
投宿先は「ラパーチェ」という苗場サウスゲート真正面のホテル。初めて泊まりましたが、とてもいい宿です。とにかく食事がいちいち素晴らしかった。ゲレンデには近いし、泊まりで苗場なら次もココだな。
ピッコロホテル ラ・パーチェさん。いい宿でした
春スキーのような陽気。でも雪はよかったですよ
初日は晴れ。苗場はミーハーなイメージとは裏腹に斜面構成は硬派ですが、メンバーには年に1回しかスキーをしない初級者なども含まれるため、滑走ルートには気を使います。苗場はひとたび山頂に登ってしまうと最大26°・平均22°の大斜面ゲレンデを通らないと下山できないのですよね。登りましたけどね(鬼)。
しかし苗場はどこに行っても人口密度が高すぎてまともに滑れる気がしない。人気スキー場なのですねえ。
ことに上で書いた大斜面ゲレンデ。ここを通らないと下山できないのに斜度がきつく迂回コースがないという条件がわざわいして一面に初級者が鈴なりです。人が誰もいなかったら楽しそうなバーンなのだけれど、現状では初級者が斜度耐性を高めるための試練バーンとしてしか機能していないですね。このメンバーでもそうだったし、去年姪っ子たちと来たときもそうだったなあ。
トップの筍山にも二度登り、私は最初は迂回路、二度目は筍山ゲレンデを降りました。最大32°・平均24°の、コブではないが荒れている急斜面は私レベルではやはり手ごわいですね。
トップから。筍山ゲレンデは手強い上級者コース
リフトの上から眺めていると、その時もちょうどひとりの若い女性スキーヤーが板と生き別れになっているところでした。斜面の途中で両板解放してしまい、肉体だけ数十メートル滑落していきました。あ〜あ、残念でした。転ぶと止まらない斜度なのね。でも女の子だから、きっと誰かに拾ってもらえるでしょう。
3シーズンくらい前の私ですと、そういう場面を目撃してしまうとすっかり怖気づいてしまって降りられる斜面も降りられなくなってしまうのですが、今はそんな心境にはならなくなりました。ただ、
めんどくさいなあ……
と思うだけです。だって、自分の滑走能力を超えた斜面を滑り降りるのって時間がかかるじゃないですか。怖気づくほど怖くはなくても、それなりにガッツは奮い起こさないといけないし。それにやっぱり疲れるし。
そんなわけで、頂上で写真とったりしてしばらくぐずぐずしてから筍山ゲレンデをずるりずるりと滑りだしたのですが、斜面の途中で思案顔のスキーヤーがひとり立ち止まっています。見ると、さっきリフトの上から見た主人と生き別れになったスキー板がまだ斜面に取り残されていました。いえ、取り残されたスキーは2セットに増えてますね。お連れ様もやっちゃったみたいです(笑)。
持ち主の女性スキーヤーはふたりとも数十メートル下方の雪面に這いつくばっています。思案顔のスキーヤー氏は、板を拾って届けてあげるべきか迷っていたようです。氏と声をかけあって、それぞれ一組ずつ持って行ってあげることにしました。ふっ。結局俺が拾うことになったか。
でも私としては横滑りでこの急斜面をパスするいい口実ができたので内心ラッキー! 板を運搬している体裁なら横滑りしててもそんなにおかしくないでしょ? 手ごわい急斜面ではありますが、こういう悪知恵が働く程度には平常心で降りてこれるようになった俺成長した。
持ち主に板を届けると、その子は自分の板を抱きかかえたままふたたび数十メートル滑落してしまいましたけども(笑)。なるほど、急斜面では板をつけているほうがずっと有利なのだなあ、と思いました。
その晩はナイター営業終了後のゲレンデで花火が打ち上がるというので、ホテルの窓からたっぷり楽しみました。シーズン中の土曜日はほとんど毎週やってるんですね。前回苗場に来た時も見た気がします。花火の灯りが白いゲレンデに映えて実に美しい。これは一度は観るべき。けっこう大きいのがけっこうたくさん揚がります。
ビールを片手に花火を眺めながら苗場の夜は更けていきました。
翌日の話はまた次回。
どーん。近すぎるプリンスホテルよりいい席なんじゃなかろうか