年末年始のスケジュールを聞かれたとき、ついとっさに
「雪で埋まってる」
と答えてしまいました。毎度。俺です。
昨年末のある日、ブログのコメントに「スキーについての覚書」というブログを書いておられるKNJ氏から、12/30にブランシュで滑るとの予告をいただきました。わざわざの予告はお誘いと解釈してよいでしょう! 喜んでお供させていただくことにしました。
「スキーについての覚書」と言えば、スキー技術系ブログの中でもかなりアカデミックにアルペン技術を探求しておられるブログとして有名です。テーマはアルペン競技が中心ですが、CGをふんだんに用いた考察記事は基礎スキー志向のスキーヤーにもとても刺激になると思います。ぜひご一読を。
さて、そんな上級ブロガーさんがなぜ中級の脚前に毛を生やそうと必死の私などを誘ってくださったのかは深い謎なのですが、ともあれ、競技系のスキーヤー(ご当人いわく競技系のスキーを参考にしているフリースキーヤー)とご一緒させていただくのは初めてなので吸収できるだけのことを吸収させてもらおうとガツガツした気持ちでブランシュたかやまに乗り込みましたよ。
この日のブランシュもいい天気でしたよォ
初めてお会いするKNJ氏はたいへん穏やかな紳士で、それにつけこんだ私は最初からレッスン受ける気全開モードです。よろしくお願いします!
私のフリー滑走をひと目見たKNJ氏はずばり一言、
「もっと板を信じて傾いていいんじゃないかな」
そこからはド緩斜面に場所を移してレールターンの地味練に。ブランシュの最下部キッズファンコースはほぼ平地と言っていいほどの緩斜面。谷回りからしっかり雪面をとらえてエッジをずらさないトレーニングです。
これが難しい。速度がまったく出ない中で、重心をどこにどれくらい動かしてよいかわかりません。ともすればスキーを回旋してしまいズレて失速します。
一方KNJ氏は驚いたことにド平地をターンだけで加速していきます。直滑降で得られる速度ではない。ターンで溜めた板のたわみが解放されるエネルギーを推進力に変えているようです。トランポリン選手が跳びながら徐々に高さを増していく要領です。これはカルチャーショックでした。
人は直滑降より速く滑れる。それを知っただけでも巨大な収穫です。
その後はファンタジーコースに場所を移して実践。ファンタジーコースは400mほどの緩・中斜面。こんなコースの何が面白いんだろうと思っていましたが、ほどよい斜度の一枚バーンを短いスパンで繰り返せるので練習に好適なのですね。
ファンタジーコースを疾駆するKNJ氏
ポイントは谷回りのできるだけ早い段階で外足に足場を築くこと。そして外股関節はビキニライン(コマネチライン)から屈曲して外向傾を作ること。
左ターン(右外足)は早い段階から「いい感じです!」と言ってもらえましたが、やはり右ターンはいつまでたっても回旋ひねりずらしのクセが出てしまいキレに乗ることができませんね。
やはりキーポイントはターンの入り際ですね。ここで確かな足場を作れないとその後に続くターン全体がgdgdになってしまいます。強引に身体を谷に落とし、外足を山方向に蹴り上げるように噛ませる。切り替えの瞬間の重心と山スキーとの位置関係に尽きる。このことは後日、野麦峠スキー場での経験ではっきりと確認されるのですが、そのことはその日の記事で書きましょう。
う〜ん、ターンで加速させているつもりはないんですけどねぇ…(ターンで加速技法については否定してきた立場だから)
板のちゃんとしたところに乗って、板が前に滑るのに応じてエッジを立てるようにしてるだけのつもりなんですが。
さて、当日ちゃんと紹介できませんでしたが、独断に基づくブランシュでのおすすめの食事は、
・レストランバウム内中華料理「湖北」の「鮎の煮びたし定食」。30日には、まだ準備できていなかった…。腹一杯になりたかったら、湖北丼?
・ファンタジーゲレンデベースと言うか、ファンタジーからクアッド乗り場への途中にある和食処「ふるさと」、蕎麦だったら、実はこちらがおすすめ。あと、とんとこ丼って今もあるのかな?
・一番下に「山木綿」が出店したという話だけど、行ったことがないので、内容は不明。女神湖の「山木綿」の系列だったら、美味しいはずだけど。
>KNJさん
その節はお世話になりました!
> ターンで加速させているつもりはない
バネの反発を蓄積増幅して加速しているというのは私の仮説でしかありませんが、少なくとも「直滑降より速かった」のは事実です。
適切に門付けされたエッジにだけ乗った状態であれば、つまり板がちゃんと傾いていれば、滑走面はほぼ雪面には触れていないわけで、摩擦抵抗は直滑降よりもずっと小さくなると思われます。速かった理由はこちらかもしれませんね。
食事ガイドありがとうございました!
参考にさせてもらいます〜
そういえば、春のビタビタのストップ雪で、緩斜面はチョッカるよりカーヴしたほうが速いな! という経験をしたことを今さら思い出しました。
あ、そうそう、私、決して競技系のスキーヤーではありません。年一回、草レースに出るか出ないか、誰かが転んでブービーなんてのが競技系に分類されたら、本当の競技系の人が怒るでしょう。
競技系のスキーを参考にしているフリースキーヤー(元基礎スキーヤ―?)でしょうか。
チョッカリよりも緩いターンをする方が速い?理由として考えられるのは、幅広いトップ部が全体で雪面を変形させる(つぶす、削る、跳ね飛ばす)よりも、少し傾けた方が変形させる雪の総量が減って抵抗が小さくなっている可能性もありますね。
あとは、直滑降しようとしてエッジが噛んでない状態にすると、板が微妙に横向いてしまって、横ずれを起こしているなんてのもあるかもしれません。
>KNJさん
なるほど〜〜〜〜
スキーってパラメータ多すぎますね(笑)
緩斜面の時だけ無視できなくなる変数ってのもあるとは思いますが……。
あ、属性表記の件、本文をちょっと訂正いたしました〜!