しばらく前から、ブログの冒頭にマクラとしてどうでもいい小ネタを持ってくるようにしたんですが、それ以来めっきりコメントが減りました。
世界にそっぽを向かせる小ネタ。
しかし俺はやめないぞ! 断じて!
さて、三連休の後ろ二日に一泊で尾瀬岩鞍に行ってきました。宿は岩鞍で滑るときは必ずお世話になっている「ペンションZAKOJI」さん。旅の道連れは元同僚のS氏。昨シーズンもこの連休に一緒に滑りました。
日曜の岩鞍は前日までによく降って雪は潤沢でしたが気温が高く、ゲレンデはやや重のコンディションでした。こういう日にミルキーウェイを滑ると脚が終わるということはよくわかっていましたので、ためしに2本滑ってみました。たしかに終わりました。私の判断は正しかった。
同行のS氏は新潟出身なのですがスキーは完全に我流で、滑走フォームが色々と素人くさいので、本人の希望で今回はその素人くささを払拭することをテーマにしました。S氏は滑りには無駄が多いなりにも滑り慣れてはいるので、新しい技術の習得というよりは滑り方の演出という感じでしょうか。
なにせ私も2級をとったばかりのレジャースキーヤーですので、どっちみち本格的な技術指導などできようはずもありません。自分とそうレベルの違わないスキーヤーには「こういうふうに滑ったほうがもっと巧そうに見えるかも」という程度の助言しかできないわけです。
S氏のフォームには、ターン始動時にプルークスタンスのなごりで開き出しが出てしまうことや、内倒、ローテーションなどのクセがありました。これをまあまあ滑れる人っぽく見せるための演出のポイントとして、「狭めのスタンス」「くの字姿勢(アンギュレーション)」「上体を谷に向ける」などの工夫をすることにしました。
スタンスもアンギュレーションも上体の向きもそれぞれ互いにリンクしているので、どれかを修正するとほかも勝手に治っていく感じで、S氏の滑りは(私が想像していた以上に)めきめきと「それっぽく」なっていきました。もともと滑走経験は豊富な人物なので対応が早いね。
やったことは(基礎スキーレッスンをよく受ける人にとっては)ありふれたバリトレ(バリエーション・トレーニング)のたぐい。
たとえばかたちだけ閉脚にすればよいなら、内スキーの置き場所を好きにさばけるようにしてやればよいですね。ならば外脚一本ターンで外スキー100%荷重を経験させてみよう。とか。外向傾姿勢を覚えるなら、ホッケーストップとかストックを水平に持つ・垂直に持つなどで肩を雪面と平行に保ち胸を谷に開かせるバリエーショントレーニングが効きますね。とか。
それと、うまい人っぽく見せる演出として欠かせないのがストックワークですね。今どきですとストックは突いても突かなくてもよいような流れになっておりますが、やはりしかるべきタイミングでしかるべき場所にしかるべき所作でストックを突くと、それだけで滑りがこなれて見えるなあと。
その流れで言うと、「それっぽく優雅に見せる要素」として「ニュートラルを作る」もちゃんと教えましたよ。ゆったり斜行しながらの切り替え。私がふだんこれをほとんどやらないので苦労しましたが。
というように、お手本になるように「わかりやすく」「美しく」滑らなければならず、雑誌やDVDで見たことがあるだけで自分では一度もやったことがないようなバリトレをぶっつけ本番でやってみせる(笑)など、「中級者が中級者を教える」というチャレンジはなかなかハードルが高かったです。
しかしその苦労の甲斐あって、初日の晩にその日の始めと終わりに撮影したビデオをそれぞれ見比べたS氏は
「すげー! 全然ちげー!」
と感動してくれたので、私のインチキにわかイントラもまあまあうまくいったのかな……。
二日目は初日に覚えた感じをさまざまな斜度に対応させていく目的でチャンAや女子国沢などを何度か滑りました。しかし午前中でふたりの脚が終了……。しかたないので、それほど脚力を使わなくて済む横滑りの練習に移行しました。まっすぐ真下に横滑り、前後しながらの横滑り、ピボットで方向転換など。これもS氏はアッという間におぼえてしまいましたね。転びまくってはいましたが。
今回は基礎系のお上品な滑りがメインでしたので「俺の狭山ターン」は出る幕がほとんどありませんでした。それでも一瞬だけロマンスコースで試してみましたが、二日間閉脚スキッド伸び上がり系のターンばかりしていたのであまりうまくいきませんでした。「俺の狭山ターン」はワイドスタンス・フルカービング・抱え込み抜重なのでまるっきり感覚が異なるのですよ……。
しかし今回のインチキイントラ経験は、自分でもスキー操作の基本に立ち返って色々なことを見直すいい機会になりました。筋道立てて教えることで自分の頭の中も整理できますね。
あと、教え役は優越感がスゴイですね。生徒役にとってちょっと難しいことをサラッとやって見せたときの羨望の反応、これ、実に気分がよろしい(笑)。小さい人間と思われるかもしれないけど(事実ではありますが)、いやいや、みんなだって多かれ少なかれ感じてるでしょ。
スキーは技術の巧拙、経験の多寡が如実に見た目に反映するスポーツです。だから練習するんだよね。スキーは楽しいけどへっぴり腰だとカッコ悪い。リフトの下を颯爽とした姿で滑りたい。目立つトリックで注目を浴びたい。そういう見栄がスキーを練習する大きなモチベーションのひとつであることは間違いないでしょう。もちろんほかにもいろいろありますけども。
さあ、年末年始は誰とどこでどれだけ滑ろうかな。
私は、30日はブランシュかな?
>KNJさん
わたくし本日諏訪インターのビジホ泊です。
30日ブランシュ確定でしたら、合流可能ですよ!
>gyochanさん
家族の了解を得られたので、明日はブランシュに決定です。
黄色いジャケットにピンクのパンツ、ヘルメットはブリコの白のおっさんが滑っていたら、ご注意ください(危ないかも)。
>KNJさん
承知しました〜。
私のほうは「安全第一」のヘルメットが目印の四十男です。喫煙所のほうが見つけやすいかもです(笑)。