燃えたよ。燃え尽きた……真っ白にな……。
道志みち、登った。登ってきました。
もうやりません。もういやです、ヒルクライムなんか。
ヒルクライムが得意な人は心から尊敬しますが、それを好む人たちの気持ちは一生理解できません……マゾのたぐいですか。
ほんっとやらなきゃよかった。
道志みちは前に一度挑戦して、途中で引き返して帰ってきたんです。と言ってもその時は昼から用事があって、そもそもちょっと下見するだけの予定。なので、まあ、ちゃんとフルで一度は走っとこうと。5時半起床、きのうの残りのナポリタンを半皿食べて6時半に自宅を出発。
うちから20kmの道志みちの入り口までは体力温存でじわじわ進みましたが、どうもだるいし、上がった心拍がなかなか元に戻らないし、脚も回らない。こりゃ前回より調子悪いかもー、と思いつつ津久井湖の城山公園で一度目の休憩。この公園出たところにいきなり登坂車線とかありますけどね。
道志みちに入って最初のコンビニ、セブンイレブン青野原店で二度目の休憩と甘いもんの補給。ここは道志みちを利用するハイカー、キャンプ客、バーベキュー客、オートバイツーリング客、ローディーなどがみんな寄って行くコンビニなので朝とは言え大賑わいです。
つうかセブンイレブン青野原店! 朝っぱらからポカリスエットを切らすんじゃねえ! 自転車乗りがみんな買ってくこたーわかってるだろーが、うーうー。しかたなくアクエリアスエナジーとかいうのを買いましたが残念な味。
セブンの外でタバコを吸っていたら、居合わせたローディーグループの方々から声をかけていただきました。
「山中湖までですか?」「いちおうそのつもりなんですけど、たぶん途中で心折れて引き返すことになるかと……」「いやーそんなことないでしょう!」「実は初めてなんですよ私この道……(←ホントでもありウソでもある)」「道の駅までは普通の登りですよ。そこからはだんだんキツくなりますけど、のんびり登れば大丈夫ですよ!」「そ、そうですか!」
ともかく道の駅までは行こうと決めた。
ところが両国橋の先の激坂で右脚に「こむら返り」の兆候が出始め、右脚をかばって走っているうちに左足にもそれが伝染。返りかかる両脚のこむらをどうにか微妙な力のかけ加減で返さないようにがんばるも、やがて、もうイヤ! あたしホントに返るからネ! とこむらが言いだしたのでしょうがなく停車。10分ほどストレッチやマッサージなどしてこむらをなだめる。「こむらくん、君には期待しているんだよ。もう少しがんばってくれたまえ」
この坂もここまでも、別にハイペースでがんがん登ってきたわけではないのです。むしろ必要最小限の体力さらに小出しにして進まないともたない、と思ったので、早々とインナーローに落として歩くようなペースで登っていたのです。インナーローって言ってもインナーは海外通販の業者が間違えて送ってきた 42T です。もうこんなインナー投げ捨てたい。
このこむら返りには道の駅に着くまで悩まされ、途中数度の停車を余儀なくされた。ていうか、道の駅まではどうにかなるっていう情報も、ガセもいいとこでした。全然話が違うじゃないかよなんだよこの坂はと。
いや、どうにかなるとおっしゃってくれたローディー氏にとってはもちろんそれが真実なのでしょう。しかし悲しいことに私にとってはまったく真実ではなかった。たとえば日本にとって「あの島はうちの領土」というのは真実ですが、韓国や中国にとってそれが真実でないのと同じことです。真実とはそれほどあやふやなものなのです。
とにかく、「道の駅どうし 2km」の案内看板が出てきた時に私の心の中にあったのは安堵の気持ちなどではなく、「おいまだ2kmもあんのかよふざけんなよ金返せよ」でした。なにしろそこまでの道のりも長く苦しいもので、なんとか自分のプライドを傷つけずに引き返せるいい理由はないものかと心の片隅で考えながら走っていたのです。片隅がそれならば中央はなんだったかと言うと「つらいよーあついよーくるしいよーいたいよー」でした。
まあでも2kmのダラダラ登りは連光寺と同じなので「あれといっしょ、あれといっしょ……」と思いながらなんとか道の駅まではたどり着きました。
残暑の道志みちライド その1〜道の駅まで
残暑の道志みちライド その2〜山伏峠
残暑の道志みちライド その3〜山中湖、復路