2012年08月18日

はじめての分解整備〜PD-M540

手元で遊んでいたSPDペダル、PD-M540 を分解整備してみましたよ。

$せめてひとなみに。-写真1

いずれ 105 の SPD-SL ペダルを整備してみたい、と先日のブログで書きましたが、これはそのリハーサル。私はまだ、パーツを「売られている状態よりさらに分解して整備する」ということをしたことがありません。初挑戦です。そんなド素人の私が、ペダルの分解整備というむずかしそうな整備をいきなり現役パーツでやるのはリスクが大きいんで。

手元の PD-M540 は今のマシンを買ってから5年間装着していたもの。と言ってもその間このマシンはほぼ放置プレイだったので、積算 1000km も使っていないのではないかしら。たいして状態は悪くないものと思いますが、練習なのでよいのです。ええ。

以下、私の手順を記録しますが「正しい整備手順」としてご紹介しているわけではありません。いろんなブログを参考にしながらド素人の私が私なりに試行錯誤してやってみた作業なので、大間違いを含んでいる可能性があります。参考程度にご覧ください。

$せめてひとなみに。-写真2

使った工具ケミカル類は以下の通り。

@ パーツクリーナー
A グリス *
B シリンジ
C アーレンキー 8mm
D ピンセット
E スパナ 10mm *
F スパナ 7mm *
G 茶漉し
H ルーペ
I スパナ 17mm * (写真にはない・並べ忘れた)

*印は必須。

まず 17mm スパナでペダル本体から軸を抜きます。右ペダルは逆ねじですが、本体に「TIGHTEN ⇒」という刻印がしてあり、とにかくその逆で緩みます。シマノのビンディングペダルの多くはここに専用工具を使うのですが、M540 の場合は一般工具で引き抜けます。どういう区別なのかな。

$せめてひとなみに。-写真3

スパナの噛む幅が細い上、カジッてるんじゃないかと思うくらいネジが固くてしんどい。いきなり握力が尽きかけますが、どうにかはずれました。ねじ山の途中にピンク色の部分が見えるのはおそらくロックタイトのようなねじロック剤でしょう。固かったのはこれの機能かな。透明でまだきれいなグリスが残っています。

$せめてひとなみに。-写真4

ここからのバラシは簡単でした。まず先端のロックナットをはずしたところ。7mm スパナ。

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続いて玉押しをはずしたところ。10mm スパナ。行儀よく並んだベアリング(外側)が顔を出しました。12個あります。

$せめてひとなみに。-写真6

ベアリングもろとも玉受け(金属の円筒)を引き抜くと、黒い樹脂パーツと内側のベアリングが出てきます。内側のベアリングも12個。ゼリー状で乳白色のグリスがまだよく効いていて散らばることはありませんでした。しかしベアリングはナタネほどの小ささなので、床に落としたりしたらまず見つからないねこれ。

$せめてひとなみに。-写真7

ベアリングと樹脂パーツを取り除き、ロックボルトを抜くと、ゴム製のダストシールがついてきちゃいました。ヘアピンでほじくり出しました。

$せめてひとなみに。-写真9

これで分解完了。こいつらをパーツクリーナーで洗浄・脱脂します。

$せめてひとなみに。-写真8

細かい部品は茶漉しにまとめてクリーナーを吹いて洗います。ベアリング、いいツヤです。ロックナットが青く染まってますね。これもねじロック剤でしょう。部材によって使うロック剤の強度を変えているんですね。

$せめてひとなみに。-写真10

円筒形のパーツはこのようにして。

$せめてひとなみに。-写真11

すっかりきれいになりました。

$せめてひとなみに。-写真12

細部をチェック。金属の円筒は両サイドが玉受けになっています。両方とも虫メガネでよく観察しましたが、虫食いのような損傷は見当たりませんでした。きれいなものです。

$せめてひとなみに。-写真13

玉押しもきれいです。

$せめてひとなみに。-写真14

内側の玉押しはシャフトの中ほどの、光沢のある段がそれです。こちらもきれい。

$せめてひとなみに。-写真15

さていよいよ組み付けです。まずシャフトにダストシールを入れ(ダストシールが収まる場所にくぼみがあります)、ダストシールから先にグリスを薄く塗っておきます。このグリスは防水・防塵・腐食防止用で、潤滑には寄与しません(使っているグリスはすべてデュラグリスです。それしか持ってません)。

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ロックボルトを挿入します。このパーツはぐらぐらのままでOK。ペダル本体に挿入するまではぐらぐらのままです。ロックボルトのねじ山にもグリスを塗布しますが、これは後からでも大丈夫。

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次に円筒玉受けの片側にグリスを盛り、ベアリングを並べていきます。円筒玉受けは対称形のようなので、向きは気にする必要はなさそうです。集中力が勝負ですが、三十代後半から始まった老眼が作業の邪魔をします。

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実は、ベアリングの扱いにこんな道具を用意していました。手芸のビーズ細工用のピンセットです。先端に球面のへこみがあって、「これこそベアリングにぴったりなのではッ!」と興奮して買ったのですが、今回は対象のベアリングが小さすぎてまったく真価を発揮してくれませんでした。いちおう使いましたけど。

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ベアリングを並べた円筒玉受けを逆さにして、鋼球の列を乱さないようにそっとシャフトに差し込みます。ここで球を落としたり円筒の内側にずらしてしまったりしたら並べ直しです。うまくシャフトにおさまったら、円筒の中をグリスで満たします。写真はグリスを満たしたところ。

$せめてひとなみに。-写真20

黒い樹脂パーツを止まるところまで押し込みます。このパーツには向きがあり、丸まっているほうが外側(軸の先端側)です。この樹脂パーツを入れると円筒玉受けがぐらつかなくなります。また、上のほうの写真(6枚目)でもわかるとおり、円筒の内部、樹脂パーツと内側のベアリングの間にはグリスを保持する空間ができる仕組みにもなっているようです。

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グリスを盛り、外側のベアリングも並べます。

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玉押しを挿入します。いよいよ玉当たり調整です。

玉当たり調整とは、玉押しをベアリングに押し付ける圧力を変えてやることでベアリングの動きのなめらかさを最適に調節することを言います。たぶん。圧力がゆるすぎて玉押しとベアリングの間にすき間があってもいけないし(ガタ)、逆に圧力を強めすぎて回転に抵抗がある(ゴリ)のもよくありません。どちらも軸受本来の性能を発揮できないばかりか、ベアリングにダメージを与えてしまいます。……と、私は理解しています。

そこで、ガタつかずゴリも出ないポイントを探るわけですが、これが難しい。特にシマノペダルのこれに関してはどのブログでも口をそろえて難しいと書いています。ベアリングをいじるのが初めての私にとってこれが簡単であろうはずがない。

$せめてひとなみに。-写真23

微妙な力加減を要求されるので、シャフトを裏から 8mm のアーレンキーで保持し、10mm のソケットでもってダイヤルを回すようにして調整しました。

玉当たりが適切かどうかは実際にいちいち軸をペダル本体に組んでみないと確認ができない上、上からロックナットを締めると玉当たりも微妙に変化してしまうので、もう試行錯誤の連続。締めては組み、ゆるめては組みを何度も繰り返して、どうにか「かすかにコリッとくる」くらいの玉当たりに決まりました。ゆるゆるから締めつつ調整するよりも、ゴリゴリからゆるめつつ調整していったほうが能率がよさそうです。

で、2時間以上かけて右ペダルの整備が済んだわけですが、指ではじいて回転を未整備の左ペダルと比較してみたら仰天。まるっきり違う。整備した右のほうが倍くらいよく回るようになってしまいました。

いやあ、整備楽しい。でも疲れた……。

posted by Gyochan at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車
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