2011年12月19日

座りこむのはしょうがない

先日丸沼に行った際に、ロープウェーで山頂まで登って「からくら」「ローズ」と滑り降りてきたのですが、あまりの無法地帯ぶりに辟易してその日は二度とそこは滑りませんでした。

コース図 でおわかりのとおり、ローズコースは途中で大きく右に折れる箇所があります。このカーブ手前の斜面一面に、座り込みボーダーが鈴なりになっていました。なんとも不思議な光景で、思わず笑ってしまいました。あれは写真を撮っておくべきだったと通過した直後から激しく後悔しました。

どう表現していいのか、ゲレンデが野球場の外野芝生席みたいでしたよ。二十人くらいのボーダーが狭いコース一面に広がって、同じ方向を向いて座り込んでいるのです。このエリアを通過するためには手前で一時停止し、すり抜けられそうなすき間を探し、ぶつからないようにそおっと通り抜けるしかありませんでした。

同行した友人は「これだからボードはキライなんだ!」と憤慨していましたが、私には笑えました。その光景のもの珍しさと、今まで私がスキー場のボーダーたちについて抱いていたモヤモヤした考えがこの時はっきりしたからです。

これを見てはっきり理解しました。スキーヤーにとって迷惑と感じるボーダーの色々な行動は、もはやマナーの問題ではありません。スノボというスポーツが根源的に持つ性質の問題です。ボーダーがすぐに座りたがるのはしょうがない。なにしろ、斜面に立っているだけでもしんどい乗り物なのです。立ったまま休めるスキーとは事情が違います。

先述のローズコースのカーブ部は直前にちょっと急な斜面があり、無理して初級者コースと謳っているローズコースの中ではおそらく最大の難所(斜度25°)。ここをどうにか滑り降りた初級者ボーダーは絶対に一息つきたくなると思います。つまり、ローズコースの途中のカーブは必然的に初級者ボーダーが滞留しやすい場所なのです。

それでも頂上からベースに降りてくる場合、からくら〜ローズは一番やさしいルートですから、初級者にここを滑るなと言うのはゴンドラに乗るなと言うのと同じ。それは酷な話です。つまりここで日光浴をしている多くのボーダーたちに罪はないのです

さらに、問題のカーブの先の狭い通路では衝突事故が多発していました。

ここをチョッカッていくボーダーがやたら多い。たいへん狭いのでスキーならばプルークや小回り、スノボならば横滑り(縦滑り?)でゆっくり降りていくのが本来なのですが、そういう徐行者たちをスラロームのように縫ってすっ飛んでいくボーダーが何人もいました。いつ大事故が起こってもおかしくないはなはだ無謀な滑りですし、実際に私の目の前でボーダー同士が衝突しました。そして私自身も、昨々シーズンにこの場所でそうした暴走ボーダーから低空ミサイルキックの直撃を食らって負傷しています。

憤懣やるかたない暴走ボーダーですが、これもやはりコースの問題に帰してしまってよいかと思います。

プルークや低速小回りといった簡便な徐行手段があるスキーと違い、スノボにとっては徐行そのものが苦痛であると考えれば、スノボに徐行を強いるコースの構造自体が問題と言えます。

道路に置き換えて考えてみましょう。

自然渋滞や交通事故の多発地点というものがあります。そこを走るドライバー全員がきちんと安全運転を意識していれば渋滞や事故の多くは未然に防げます。しかし、ドライバー全員に安全運転を守らせることなんて現実的には不可能ですよね。それよりも、その場所で渋滞や事故が発生するメカニズムを解明して、道路の構造を修正したほうがずっと手っ取り早いし効果的です。

スキー場に話を戻すと、今日本にあるスキー場のほとんどはスノボなどなかった時代に設計されたもので、スノボ独自の特性はまったく考慮されていません。不都合は出て当然、コースのほうをどうにかすべきなのです。ボーダーが溜まって邪魔・危険だからといって「まったくボーダーは!」と思うのは間違い、「まったくこのコースは!」と思うのが正解。

少々甘い意見ですが、スノーボードが若者を中心に人気があること、また、もともとストリートカルチャーの影響を強く受けた文化であることなどを考え併せれば、多少行儀が悪いのはいたしかたないと私は思っています。ロックコンサートの会場で馬鹿騒ぎしている若者を見て眉をひそめる人はいませんよね。それをしてよい場所へ、それをしに集まっているのですから

また、そのスキー場についてスキーヤーは何ら既得権を持っていません。クラシックのコンサートホールでロックも併演するようになっちゃっただけです。なので、スノーボーダーに苛立ちをつのらせるのは筋違いだと私は思っています。誰かに何か文句を言うとすれば、スノーボーダーとスキーヤーが互いに滑りにくい環境になってしまっていることをスキー場に対して訴えるのが本筋でしょう。

と、かなりボーダー寄りの意見を述べましたが、別にマナーの悪いボーダーの味方をしているわけではありませんし、マナーを守らなくてよいと主張しているわけでもありません。現在のスキー場の状況を見るにつけ、「ことの原因の多くはスキー場の無策にある」と感じたのが本論を立てたきっかけであります。

長々とおつきあいいただきありがとうございました。

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posted by Gyochan at 23:20 | Comment(7) | TrackBack(0) | スキー
この記事へのコメント
そういえば

負傷したんだったね。
僕はこのコース滑ったことがないんであまりわかりませんが…
僕が初めて滑るコースで考えるのは、人が貯まりそうな場所のチェックと、合流地点の見通し、一般にどのような滑走がされているかですね。これをコース図で想定して、その後流すルートを試走。となります。このコース図から類推するに、僕はしらねからシルバーを経由して第3リフトをくぐりローズコースを降りるのを試走して考える感じかと…
でも滑走可になってないからな…
リフトの乗り継ぎは億劫だから多分からくら〜ローズ迂回通過してバイオレット〜イエローになるんだろうね…
ローズ上部の終わりのくの字のところに貯まるんでしょ?
これは仕方ないな〜
Posted by つっちー at 2011年12月20日 15:45
たまり

多分僕は山頂側から見下ろして一番左にくの字を大きく外側に滑り込んで、徐行し、すり抜けるのかな…
ボーダーと住み分けしているスキー場もあるからそういうゲレンデを練習用のホームにするのも考えたらどお?
Posted by つっちー at 2011年12月20日 15:50
Re:たまり

>つっちーさん
うん。おいらも滑りにくいところはとりあえず避けてる。いったん全体的に滑ってみて様子をチェックしてからだけどね。
おいらが好む斜面はレジャーボーダーや初級者ボーダーたちにはやや急らしいので、そもそも邪魔だと感じる場面は少ないけどね。
あと、ゲレンデ上で邪魔(=危険)な位置にいる人たちには積極的にひと声かけるようにしてる。笑顔で「そこにいると危ないよ〜」
Posted by gyochan at 2011年12月20日 17:16


笑顔の貴方は怖いから…
メットで頭突きはしないであげてね〜
Posted by つっちー at 2011年12月22日 07:52
Re:…

>つっちーさん
こわくないよ〜
ほっぺたにキズができてもっとやさしい顔になったよ〜
Posted by gyochan at 2011年12月22日 10:41
まさしく正論です。

ボードて 靴が柔らかいので 起き上がりやすい。 片足自由で 支えになるから リフトの乗り降りが 初心者でも すぐできる。 尻滑りと 木の葉落としで ターンできなくても 下りてこれる。 初めの部分でスキーと違い やさしいんですよね〜。
Posted by 前転 at 2013年01月22日 09:53
Re:まさしく正論です。

>前転さん
コメントありがとうございます!
こんなむかしの記事にまで目を通していただいて、うれしいです!
エッジが2辺しかない(スキーは4辺)、最初からスタンスが上級者と同じ、など、ボードのアドバンテージはまだまだありますね〜。
Posted by gyochan at 2013年01月22日 22:02
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