また更新を長期間滞らせてしまいました。
このブログへのアクセス数はコンスタントに50件/日ほど(平日・トップページのみ・PC+スマホ)ですので、更新が滞っていた期間を約2週間としてノベにしておおよそ700がっかりを発生させてしまった計算になります。罪ほろぼしに、今回は少し長めに書きましょう……。
毎度。俺です。
こないだ軽井沢でサイクリングした悪友Kと、6/14(日)に清里に行ってきました。ブリリアントな高原リゾート地です。軽井沢といい清里といい、恋人どうしとしか思えないコース選定なのですが、Kとは誓ってそのような関係ではありません。
出発地の韮崎インターで降りると、風景になんだか見覚えがありました。あー前に一度クルマで来ていますね。そうだ、スポーツランドやまなしというミニサーキットで遊んだことがある。
Kとのサイクリングではいつものことなのですが、この日のコースも前日の晩にあわただしく決まりました。金曜の夕方になってわりとムチャなコースを引いてくるので「それやだ」「それ却下」などと繰り返し引き直しをさせつつ、韮崎から清里までの「清里ライン」(国道141号線)約30kmをじわじわと登るコースに決定。
韮崎に7:00に集合。駅前の駐車場にパーク。パトカーの待機所にもなっていたので隣に駐めました。これで車上荒らしに遭ったら笑う。部活なのか練習試合なのか、弓道着だったりジャージだったりと色々な運動部の高校生たちが韮崎駅の改札口に吸い込まれていきます。部活動に熱心な若者がいる町は、なんだか無条件でいい土地という気がします。

韮崎駅をスタート地点としました。素朴な高校生たちが部活に出かけていきます
清里ラインは出だしからすでに緩い登り基調。北杜市街を過ぎると勾配が急に強まり本格的な登りが始まりました。なんでKにつきあうといつもこんなに坂道ばっかりなんだろう、ぶつぶつ。しかもこの日はどうも調子が悪く、脚が重くて坂道がつらい。「いっさい疲労をためない」をモットーにしているKのペースでさえついていくのがやっと。
全体では30kmで標高差900mとかだから平均3%くらいでしょとナメていたけれど、大半の区間は5〜6%でわりとまっとうな登りでした。しかも天気がよくて日差しがけっこうこたえる。
登坂車線の標識には何度もがっくりさせられました。しかしサイクリングしていて一番うれしいのは「登坂車線終わり」の標識を見たときですね。

須玉市街を抜けるといよいよ登坂車線のおでまし

景色は素晴らしいが走らされているのは登坂車線

こんなですよ最高じゃないですかサイクリング最高
清里までの道のりのちょうど中間あたりに「道の駅南きよさと」という少し大きめの道の駅があったのでやれうれしやと立ち寄って大休止。「信玄ソフト」(ギュウヒときな粉と黒蜜をトッピングしてあれを思わせる仕様にしたソフトクリーム)を補給。
そのときのことです。
私が信玄ソフトを撮影中にKがうっかりテーブルをけとばして私の(一口も食べていない)信玄ソフトを台無しにしてしまうという偶発的アクシデントが発生。二国間関係が急速に冷え込み、サイクリングの続行が危ぶまれましたが、親切なスタッフがすぐに無料でもうひとつ作ってくれました。ありがとうございました。地球の平和は守られました。

山里にひっそりうずくまっている道の駅南きよさと。こういうたたずまいホント最高です

これが噂の信玄ソフト(2個目)だ。奥にあるのはKの
「ようこそ清里高原へ」の看板をすぎるとさすが高原、空気がどんどんすずやかになっていきます。停車すると日差しがきついですが、走りだすと汗ばんだ体にひんやりした風があたって実に気持ちがいい。高原のサイクリングはいいなあ。とは言うものの、わりときちんと坂を登らされて「想像してたのとだいぶ違う……」と思いながら清里駅に到着。
梅雨の晴れ間の清里はまだシーズンオフで、マジで閑散としていました。午前中ということもあったかと思いますが、通りに並ぶ華やかな店はどこも開店休業状態。休憩を兼ねてしばらく駅前でぼんやりまったり。

清里高原に入るのも登坂車線

清里駅と野菊。天気がよくて静かな日でした

駅前にはなぜかSL(C56ポニー)
ひとまず当初の目的地には到着してしまったわけですが、まだお昼前だしこれからどうしよう。
駅前では明らかにヒマを持て余したタクシーの運転者さんたちが手持ち無沙汰に立ち尽くしていたので、そのうちのひとりになにげない風をよそおって「静かですねえ」と世間話をフッてみたところ案の定食いついてきました。
「ええ、このへんは梅雨が明けるまではこんな感じですよ」
「どこから来たの。韮崎? ひゃー韮崎から登ってきたの!?」
「もうこの先は平ら。いちばんきついとこは過ぎましたよ」
「この先に『鉄道最高地点』手のがあるから、そこまで行ってきなよ!」
「野辺山が一番高い駅で、この清里が二番目。その間に最高地点があるの」
なんやかやと聞いてないことまでいろいろ教えてくれました。観光地のタクシーはガイドもできないと商売になりませんものね。声をかけて正解。お隣の野辺山まで脚を伸ばして、その「鉄道最高地点」とやらも拝見していきましょう。
いちばん高い駅・野辺山駅も鉄道最高地点も、まあ予想を超えるほどの何かはなくて「来たぞ」という記念にはなったかなという程度。

野辺山駅前にもなぜかSL(こちらもC56)

JR鉄道最高地点。ケーブルカーなどの特殊鉄道を除くと普通の鉄道ではここが一番高い
むしろKは途中で看板の出ていた「野辺山宇宙電波観測所」のほうが気になった様子。ならば野辺山駅前でヒマそうにダベッてるタクシーの運ちゃんたちに聞いてみましょう。「あそこの天文台って一般人も見学できるんですか?」
「できますよー」
「すごい税金使ってやってるんだから、見ないと損だよ。見て見て」
国の科学技術行政に対する敵意をうっすら感じましたがともかく見学はできるらしいので、清里ラインを脇にはずれて行ってみます。
野辺山宇宙電波観測所は要するに電波望遠鏡をたくさん並べた天文台ですね。広い敷地を自転車で回れたら最高なんですがもちろんNG。守衛所でパンフをもらって徒歩で入場します(無料)。ちなみに電波観測所では観測の邪魔になる電波は厳禁。私はガラケーの電源をオフに、Kもスマホを機内モードにさせられました。
クリートカバーを忘れた私は(いつも忘れる)、替えたばかりの新しいクリートが減るのを悲しみながらヒョコヒョコと見学コースを回ることになってしまいました。持ってるのに持ってきてない。
天文学にはまったく詳しくないですが、一応SF小説ファンのはしくれではあるので、大規模な天文観測施設にはテンションが上がります。同行のKのほうが楽しそうでしたが。うすぼんやりとしか理解していなかった、「複数の望遠鏡を合成して分解能を高める」という仕組みはこの見学でもやっぱりちゃんと理解できず、うちに帰ってから調べました(笑)。ここの説明 がわかりやすいです。

この風景を見てテンションが上がらない男子はおらんだろう

自分のウエストが細くてびびる

テレザート星からのメッセージも受信できるのだろうか
さてひと通りあちこち観光もしたのでそろそろお昼にしようか、と。野辺山周辺には自転車装束ですっと入れそうな店が見当たらなかったというか駅前の店は大半がシャッターを降ろしてしまっていて野辺山=オワコンの様相が明らかだったので清里駅に戻ることにしました。
観測所からは先ほどの鉄道最高地点あたりですっと国道に復帰できる道があるはずだったのですが曲がるべき道を見過ごしたらしく、登る必要のまったくない峠を登ることになってしまいました。標高差は100mほどでしたが勾配が10%近く、お昼ごはん前のカラダにはなかなか手応えが。
しかし登った甲斐あって、峠は八ヶ岳を一望できる素晴らしい展望が開けていました。平沢峠というそうです。

平沢峠からは八ヶ岳連山が一望に。サンメドウズ(スキー場)も見える
平沢峠から清里に戻るにも小規模な登り返しがあったりしつつ、清里では「グラタン専門店アミ」であつあつのグラタンとドリアをいただきました。このお店、たいへんおいしかったんですが(また食いたい)、先述の通りまだ清里がオフシーズンであったからか空いてました。夏休みに入ったらきっと行列ができることでしょう。
ちなみにこのお店の場合、(メニューにも書いてありますが)グラタンひと皿ではご飯にはちょっと足りません。いっしょにパンやライスを頼んだり、私たちはグラタンそれぞれに加えてドリアを半分こしました。

昼食をいただいたグラタン専門店アミ。うまかった

グラタンやドリアという料理の性質上、写真で味は伝わりづらい
おいしいお昼も食べたのでとっとと帰ります。帰路は全部下りなので気持ちも軽い。あっ、「大門ダム」なんて看板がある! 寄ってみる? と、せっかく下るだけの帰り道なのにまた登る必要のない登りを追加してみたり。昼メシ食ったあとなので元気ですね、俺。
職場にダム女子がいるので彼女のためにダムカードももらってみました。初ダムカードもらいです。一緒にいたKは「なにいきなりインターホンとか押してんのこのヒトふざけんな」と思ったらしいですが。ダムカード収集はなかなか楽しそうな趣味ですね。ちょっと興味がわいてきました(たぶんやらない)。なに、ダムカードを知らない? すみません、ググッてください。

本来登る必要のない坂道ですがダムが見たい

大門(だいもん)ダム。ダムと坂道はだいたいセット
でまあ、あとはふつうにダウンヒルを楽しみながら韮崎まで帰りました。距離74kmほど、獲得標高は1,400mほどになったようです。
「いっさい休憩することなく、かついっさい疲れずに長距離や峠を走る」というよくわからないテーマで自転車で取り組んでいたKですが、前回の軽井沢や今回の清里で「寄り道したり休憩したりしながらおもしろおかしくじわじわと目的地を目指すサイクリング」の楽しさにようやく目覚めたらしく、
「こっちのほうが楽しい」
とのたまっておりました。
「えっ、今ごろ気づいたの。これがサイクリングでしょ」
と言ってしまいました。