人生のいろんなことを諦めると、金の使い方が乱暴になりますね。気をつけましょう。反省します。
毎度。俺です。
自転車仲間ではなく、どういうわけかスキー仲間からGarminの導入をはげしく焚き付けられた結果、ボーナスの一部または全部を用いてGarmin Edge 500Jを購入してしまいました。
僕の好きな黒×金のカラーリングはありませんでした
GPSロギングや心拍管理などには前々から興味があったものの、キャットアイのASTRALE 8(2003年発売、速度と距離とケイデンスがとれるだけの安物有線サイコン)でも十分サイクリングを楽しめていたので、長い間ここに投資する踏ん切りがつかずにいました。
「GPSっつっても、いつも近所の決まりきった道しか走らないしなあ」
「ただフラフラ走って楽しむだけの俺に心拍管理なんかいらんしなあ」
ということなのです。
上記の事情は現在も何ひとつ変わっていないのですが、一方で、仲間とサイクリングを企画して遠出した時とかには記念にルートを記録しておきたいなとは感じておりましたし、また、3年前から走力がひとつも伸びていないことにうっすら問題意識を感じておりまして、何かちゃんとした方法でトレーニングすべきだろうかという気持ちも芽生えておりました。
そんなところへ、仲間からの熱い焚き付けとボーナスの支給という不幸な偶然が重なり、なかば不可抗力のようなかたちで右手人差し指が「注文を確定する」ボタンをクリックさせられていたのです。
でまあ、この週末に初ガーミン、やってみたわけです。
初日はスピードセンサーが誤作動を頻発してろくなデータがとれませんでした。
走行中ひっきりなしに速度がゼロに戻ったり、ありえないほど速いスピードが計測されたりという症状。オートポーズを有効にしていたためにひっきりなしにピロリンピロリン(計測中断と再開を知らせるチャイム)と、落ち着かないったら。ちなみにこの日の最高速度はなんと115km/hが記録されていました。私の自転車と脚力では崖からダイブしない限り出ない速度ですね。
もうスピードめちゃくちゃです
まさかの115.3km/h
不調の原因はセンサー取り付け不良。センサーアーム根本のネジの締め忘れという、一歩間違えたらスポークに巻き込んで大惨事に発展しかねない失態でした。ネジを締めれば対策完了です。この時、スピードセンサーはアームを下向きに設置固定しました。
ネットを調べると、可動式のセンサーアームを上向きにセットしているユーザをちらほら見かけますが、巻き込みの心配がない下向きが正解だと思います(スポークとチェーンステーのクリアランスによってはそのように設置できない自転車もあるかもしれません)。
なお、Garminのスピードセンサーはアームが下向きのほうがマグネットの位置が少しハブ寄りになります。角運動量保存則によって回転する質量は中心に近いほうが慣性モーメントが小さくなりますから、加速に有利ということです。人間には到底体感できるはずもない微差ですが。でも気分的にはハブぎりぎり内周寄りに設置したいところですよね。
センサーアーム上向き(ネットより借用)
スポークに巻き込んだらきっとえらいことに
センサーアーム下向き(ネットより借用)
こちらが推奨という気がします
ちなみにケイデンスセンサーのほうは前のサイコンの時からペダル軸の裏にくっつけているネオジム磁石をそのまま流用です。クランクにタイラップを巻かずに済むので見た目がスマートな上に手間なしブライト。
話は前後しますが、無線センサーは設置が実にラクですね。今までが有線だったのでセッティングがウソみたいにラクです。チェーンステーからハンドルまで、シフトワイヤーに沿って信号線を這わせて這わせて……というあのつらい長旅がもう必要ないと思うと泣けてきます。
とまあそんなわけで、しっかり取り付け直して翌日再出発。
スピードセンサーの正常動作は出発から数十メートルですぐに確認できてしまいました。何度も再調整が必要になると思ってプラスドライバーを含むマルチツールを買いに行くつもりだったのですが、予定変更して最大心拍数の計測をすることにしました。
最大心拍数とは、その人の心臓が出せる最速の脈拍のことです。
有酸素運動系のトレーニングでは、運動強度の算出パラメーターに必ずと言っていいほどこの最大心拍数を使用します。つまりトレーニング計画を立てるための基準地点となる重要な数字なわけです(逆に言えば、ここを間違えると練習メニューの全部がズレる)。効率的なトレーニングをしようと思ったら自分の最大心拍数を知っておくことは必須なのですね。
ポラールのゾーントレーニングの例(クリックで拡大)
しかしこれをホントに厳密に計測しようと思ったら、心臓の限界、つまり「死ぬ一歩手前」まで追い込まなければならずたいへんです。というか危険です。なので年齢などからこれを推定する計算式もあるのですが、これが何種類もあってどの式が妥当なのかよくわからないばかりか、最大心拍数は個人差が大きなものなので、統計的には妥当な計算式だとしても個人についてはほとんどアテにならないのです。
結局のところ、死ぬ思いをして実測するのがやっぱりいちばん良いらしいです。
【追記】
素人が自力で最大心拍数を実測しようと試みるのは危険であるとのご注意をいただきました。詳しくは本記事にいただいた Yuu-Chang さんからのコメントをお読み下さい
それをちょっと試してみようと。
計測方法として手っ取り早いのは、坂道を全力で登ることです。全力を出し切って最大心拍を叩き出すことができれば無事に登り切る必要まではない。後先考えずにがむしゃらに登ってみればよい。
走りながらこれを試してみようと思いついた時にたまたまいちばん近くにあったのが聖跡のいろは坂でしたのでさっそく行ってみました。ジモティーのくせにいろは坂を登るのはこれが初だぜ!
聖跡のいろは坂はジブリ作品『耳をすませば』にも登場する名所(?)で、900mちょっとで60mくらい登ります。途中にヘアピン3つのつづら折れ。勾配はいちばん急なところでも8%くらいでしょうか。
聖司が雫とママチャリ2ケツで登った坂。絶対そんなこと無理
(Google ストリートビューより転載)
旭鮨の前の信号がちょうど赤でしたのでゼロスタートになりました。最初から踏み込み気味に登り始めましたが、どのくらいの負荷をかけてよいのかよくわからない。いつも坂道はクルクルフゥフゥを心がけているので、ついその感覚で登ろうとしてしまいます。
とりあえずシッティングでぐいぐい登ったら、それほど出し切った感がないまま登頂してしまいました。いろは坂短けえ。
ただいまの記録!
190bpm。
ふむ……。
前半はヌルくポタリングペース、後半ではいろは坂以外にもふたつの坂でモガいてます
もうちょっといける。気がする。だって、死にそうになってないもの。今までもっと死にそうな瞬間は何度かあった。それに迫れてない。もちろんだいぶキツかったのは事実ですが、呼吸はゼイゼイくらいで、ホント〜にきつい時の「ばひゃーばひゃー」にはなりませんでしたし、登頂後も自転車投げ出してブッ倒れるようなこともなく、普通に空走して息を整える余裕がありました。たぶんこれ出し切れてない。
勾配じゃないな。長さだ、きっと。
心拍ピーク周辺を拡大。まだ昇りそうな気配を示している
この時の心拍グラフを見ると、最大値の190bpmに達するまでじわじわと心拍は上がり続けていてプラトー(平原期)に達しておらず、190bpmもまだ通過点であるように見えます。つまり、もっと坂が長ければもっと心拍は上がっていたかもしれない。心拍の上昇スピードを考えるといろは坂の900mでは短すぎるのか。
勾配はゆるいけど2km以上ある連光寺かなあ。それともちょっとお山に分け入るか……。