こないだ機材車のタイヤを冬タイヤに替えたんですよ。冬タイヤ。
冬タイヤは近所のダンロップに預けてあります。保管サービスはけっこうお金がかかる上に去年かなり値上げしたのでホントは利用したくないのですが、置き場所がないのです。正確には、置き場所はあるにはあるけれど安全とは言えない。
当家はたしかに皆さんご承知のとおり東アジアきっての大富豪の家柄なのですが、居宅だけはパッと見ふつうの庶民的な一軒家にしか見えないつくりにしてありますから、タイヤを自宅に置くとしたらそのスペースは戸外にしかありません。就寝後や留守のときなどは目が届かなくなり、盗んでくださいと言っているようなものです。
そこでまあ、タイヤ屋さんの保管サービスなわけです。当然、盗まれる心配はありませんし、保管環境も自宅の軒先で雨ざらしにするよりははるかに良好なはず。まあいいかと思いながら利用しております。
実際に保管される倉庫は店舗とは離れた場所なので、請け出すときにはあらかじめ連絡しておく必要があります。今回は前の週にたまたまサイクリングでお店の前を通りかかったので、直接店頭でお願いしておきました。
ホイールをひと組しか持っていないので作業は組み換えです。これもねえ。毎回工賃がかさむし、もうひと組ホイールがほしいです。今ついてる純正ホイール、デザインは悪くないですが銀色でちょっとフツー。車体が黒なので、ここは同じ黒のできればツヤ消しとかがほしいなあ。ほしいだけです。ええ買えません。東アジアきっての大富豪なのに。
なんか無駄話ばかりしてますね。
でもいいんです。そもそもこのブログじたい無駄なんですから。人々の心とかニューヨークダウ平均とか明日の天気とかに影響を与えたくて書いてるブログではなく、ただ書くことが楽しくて書いてるブログですからね。無駄話でいいんです。
実はまだ本題に入ってないんですよ。ね、無駄でしょ。
さて、それまで履いていた夏タイヤ・ダンロップDZ-101から、預けておいたスタッドレスタイヤ・ダンロップDSX-2に履き替えまして、さっそく試運転です。近くの総合スポーツ店にワックスの買い足しに。
いや〜。
スタッドレスは乗り心地がよいし、ラクですな。
DZ-101はどちらかというとスポーティな味付けのタイヤですから、運転するのはそれなりにたいへんでした。スポーティなタイヤは、走行性能が高い反面、ハンドルが重かったりハンドルを取られたり乗り心地が悪かったりします。グリップが良くてコシが強い、つまり走行性能の高さのオモテウラなのでいたしかたありません。スポーティな運転を楽しみたければガマンすべきことなわけですね。
それに対してスタッドレスタイヤは、雪上・氷上性能こそノーマルタイヤとは比較にならないほど良いですが、ふつうの乾いた道路のグリップ力はむしろノーマルタイヤより低いくらいですし、サイドウォールのコシも強くありません。それがドライバーにとって何を意味するかというと、ハンドルが軽くて乗り心地が良い、となるのです。
ハンドルが軽くて乗り心地が良い。なかなかいい気分ではありませんか。
まだ本題に入ってないんですよ? 無駄でしょ。
大丈夫です。ここから本題です。
お買い物にでかけたぐりーんうぉーく多摩の屋上Pで、あらためて交換完了したスタッドレスタイヤを眺めてみました。ちゃんと4本ついてるな。当たり前だけど。よしよし。よしよし……あれ。ロゴがおかしい。
YOKOHAMA iceGUARD
ヨコハマ? 俺のスタッドレスタイヤ、ダンロップだけど?
そんな馬鹿な。
考えこんでしまいました。なぜ俺のクルマにヨコハマのアイスガードがついているのだ。スタッドレスはDSX-2を買ったはずだ。DSX-2を買ったはずだ。DSX-2を買ったはずだ……。
これはちょっとタイヤ屋に文句言って本来のDSX-2に戻してもらわないと。いや、別にアイスガードのままでもいいっちゃいいんだけど。しかし、文句を言う前に解せないことがいろいろあるぞ。
そもそも、タイヤの取り違えなんて起こりうるものだろうか。サイズは235/45R17で、ぴったり。こんなデブタイヤを、銘柄違いでたまたま取り違えるなんてことがあるだろうか。製造年の刻印はどうだろう。2012年2月製造の刻印が入っている。私がスタッドレスタイヤを購入したのが2012年2月末だからこれも一致していると言ってよい。
どうも、状況だけを見ると、このヨコハマアイスガードが元々俺のタイヤであると考えたほうが自然な気がする。しかし前のクルマの時から私はダンロップ派で、地元のダンロップ屋でしかタイヤは買わないと決めているのだ。ヨコハマタイヤなど履いているはずがない。おかしい。おかしい。何かがおかしい。
ともかく、このヨコハマタイヤが俺のじゃないという証拠があればいいんだ。もしかしたらクルマの中のどこかに、作業明細とか納品書とかが残ってるかも。クルマになくても家にはきっとあるはず。探してみよう。えーとえーと。車検証ケースの中にいろいろある。ん。この封筒はなんだ。
タイヤガーデン南大沢
いやな予感。俺がふだん使っているダンロップ屋さんは
タイヤセレクト南大沢
だ。なぜタイヤガーデンの封筒がここにある。中に入っているのは何だ。レシートだ。去年の冬に俺がヨコハマアイスガードを4本買ったという動かぬ証拠。
ぐにゃぁ……(福本伸行風に)
えーっ。このヨコハマ、俺のなの。しかしこの記憶の混濁はなんだ。思い出せ。なんで。どうして。この時は混乱していて頭の中がクエスチョンマークだらけだったのですが、やがていきさつをだんだん思い出してきました。
今のクルマを買ったのは2月。スキーシーズンまっただ中でした。私が買ったディーラー認定中古車が履いていたタイヤは三菱の内規で売ってはいけないレベルまでタイヤが減っていたのでタダで新品のDZ-101を履かせてもらいました。と。これはラッキーでしたね。しかしそんなことはどうでもいい。
折しもスキーシーズンまっただ中だったので、納車したその足で私はダンロップ屋に向かい、スタッドレスタイヤを注文することにしたのです。しかし235/45R17なんてヘンなサイズのタイヤはもう2月にはすっかり売り切れてしまっていたのです。
そこであちこち探して、南大沢のヨコハマでやっと見つかったと。ダンロップ派などと言っているけれど背に腹は替えられないので、アイスガードをバタバタと購入しました、と。つまり、このヨコハマアイスガードは間違いなく私が買ったものでした……。
そして、それなのになぜDSX-2を履いているなどと思い込んでいたのかというと、これにもちゃんと理由がありました。その前の年に前のクルマ用に買ったのがDSX-2だったから。こちらは時間的な余裕もあり、ちゃんとゆっくり検討した末にDSX-2と決めたのでよく覚えていたのでしょう。
これだけのことを思い出すのに一週間近くかかりました。
歳はとりたくないものです。
え? こんだけ長々と書いて結論がそれだけかって? しょうがないですよ。無駄話なんだもの。