先日のエントリで書いた、「最近私がちょっと気になっている滑り」について。
日曜日に丸沼で滑った際、ラスト一時間ほどは緩斜面でひたすらあることをしていたのですが、なにをしていたかと申しますと、グラトリの稽古をしておりました。
そうです。クリント・イーストウッドが主演の映画「グラン・トリノ」。いや違った、グラウンド・トリックでした。
スノボの青少年たちがゲレンデ上でくるんと回ったりぴょんぴょん跳ねたり(そのうち何割かはその場ですっ転んだり)している、あれです。フリースタイルのスキーやスノボが、キッカーなどのアイテムではなくゲレンデ上で行うイカス小技のことです。グラウンド・トリック、略してグラトリ。
スキーの主要な楽しみは前進しながら左右にターンすることで、このワクの中で競技スキーはスピードを、基礎スキーは合理性や美しさを追求していくわけですが、フリースタイルスキーの場合は「前進しながら」という前提すらもはや存在せず、後ろを向こうが回ろうが跳ねようが、どう滑ろうが自由。だからフリースタイル。
競技でも基礎でもフリースタイルでも、それぞれの道をきわめようと思っている人はほかのスタイルになどかまっているゆとりはないかもしれませんが、私の場合はどれかをきわめようなんて毛ほども思っておりませんので、つまみ食いし放題です。
実を申しますと、フリースタイルの小技はかねがねできたらいいなと思っておったのです。私がふだんゲレンデにいるときの格好はおっさんスキーヤーそのもので、フリースタイルなどとは限りなく無縁ないでたちなのですが、でもそういう人物がさりげなくゲレンデでクルッと回ったりしたら「あれっ、あのおっさんやるじゃん」みたいな感じになんないかな〜なったらいいな〜と。それに、どんなことだってできれば楽しいしうれしいはず。
今回私が練習に励んだのは、それはもう古くからあるテクニックで「ヘリコプター」。板を足元で360度くるくる回す、というトリックです(練習の中身についてはまた後日項を立てます)。ジャンプはせず接地したままで行います。
結論から申しますと、わずかな練習ですぐにコツがつかめ(リフト一本目で早くも成功)、あとはもう回るのが楽しくて緩斜面をひたすらくるくるくるくると回っておりました。もう時計回りでも反時計回りでも360度いけます。2回転(720度)は途中で速度が落ちすぎて止まってしまいそうになりますがなんとかいけます。
ところで、この360度の回転は180度の回転をふたつ含んでいます。前向きから後ろ向きへ、後ろ向きから前向きへ。つまりレギュラーからフェイキー、フェイキーからレギュラーの2通りの方向転換もついでにマスターしてしまえることになります(※フェイキー=後ろ向き滑り。スイッチとも言う)。でもフェイキーの練習はまたいずれ……。
わざとリフト下で練習したということもありますが、やはりリフトからはじろじろ見られていましたね。けっこう視線を感じました。もっとも、ゲレンデ上で何が行われていようがリフト上の人はゲレンデを眺めるものですが。
そして私たちがリフトに乗ってゲレンデをながめると、今度はみんなが同じような練習を始めてる(笑)。私たちを見て「あれやってみよう」となったのかどうかはもちろん不明ですが、真似されてると思っていたほうが何だか幸せなのでそう思っておくことにします。
別項でもたぶん書きますが、このヘリコプターは板のド真ん中に乗り続けることとエッジをきちんとはずし続けることが肝要なトリックなので、実は基礎練習としてもかなり効くんじゃないかと思ってます。特に小回りやコブ。いいエキササイズが見つかりました。