毎度。
子供の頃からまったく体力のなかった私。長い間、ウォーミングアップの効果というものがピンと来ていませんでした。運動してるうちに調子があがってくるなんてウソでしょ。調子っていちばん始めがピークで、そこから一直線に下降していくもんでしょ。そう思っていたし事実そうでしたし。
しかし最近になって、ちょくちょく「動かなかった身体が時間の経過とともにだんだん動くようになってくる」という経験をするようになりました。
自宅の真裏は野猿街道という片側二車線の幹線道路。その気になればいきなりそこを走りだすことも可能なのですが、家を出た瞬間から車道ペースで走るとなぜかすぐにバテてしまう、ということが経験的にわかってきました。なので、いつもレギュラーコースを走る時は、家を出てまず地元の生活道路をのんびり流すところから始めます。
そうやって裏道をトロトロ走っているうちに、徐々にケイデンスが上がってきます。私は「ケイデンスいくつで走ろう」とか特に決めているわけではなく、その時いちばん楽しく気持ちよく回せるケイデンスで走ることにしています。つまりは脚まかせなんですが、最初の1〜2kmはその気持ちいいケイデンスが70台、3〜5kmで80台にあがってきて、5kmを越えたあたりでいよいよ90台に突入、といった具合に、家から遠ざかるにしたがってケイデンスが上がってくるのです。
毎回必ずこうなる、という事実にしばらく気づきませんでした。気づいたのは、だんだん走るコースが固まってきてレギュラーコースと呼べるものが定まってきてからでした。そうして同じコースを繰り返し走るうち、サイコンに目を落とした時に、あれ、今回もこのあたりでこのくらいの数字? ということが何回か連続したのです。
ためしに「ウォーミングアップ」というキーワードでググッてみると、多くのページで「最低でも15分以上かけて徐々に負荷をあげてゆきましょう」などと書かれています。私がケイデンス90台に達するのが5km地点、ここまでほぼ15分。ぴったり符号します! なるほどね、と手を打ちました。
連光寺坂の寸前で「長い坂の前だから」とじっくりたっぷり休んで、さあ登ろうと走りだしたらちっとも自転車が前に進まず泣いたことがありますが、それも道理です。休みすぎて、身体があらためてウォーミングアップが必要な状態にまで戻ってしまったのですね。休むなら坂の5kmくらい手前にしておくか、再アップが必要ない程度に手短かに休むべきだったのです。
私の場合、15分でピークを迎えた調子は残念ながらその後は30分程度しか持続せず、あとは疲労とともにひたすら下降していくことになります。この「いい調子」を今よりもっと長く遠く持続させる方法がわかれば私のロードバイクライフも先行きかなり明るいのですが。
ともあれ、ウォーミングアップのメカニズムがなんとなく理解できただけでも長足の進歩です。今後のサイクリングのルート設定やペース配分といった戦略面に大いに活用できそうな知見を得ました。なにごとも一歩一歩。